3日連続で予想最低気温30℃ めったにない超過酷な熱帯夜になるか 台風9号の影響で 21日～23日朝
台風9号が九州に影響を与えつつも、雨や風は限定的で、記録的に暑い夜から朝への影響が懸念されている。
特にフェーン現象と放射冷却の妨げにより、九州北部沿岸では前例のない高い最低気温が予想されており、熱中症にも注意が必要。
過去の新潟県糸魚川での記録を上回る31.4℃の最低気温を更新する可能性もある。
20日午前9時現在、九州の西海上を北上中の台風9号。
この影響で、記録的に暑い夜から朝になるおそれが出ています。
■雨、風、高波の影響は限定的なのに・・・
19日午前3時に、沖縄県宮古島付近に発生した台風9号。気象庁の予報では、22日にかけて、ほとんど発達せずに北～北東に進み、500キロ以上離れている九州などへの雨、風、高波などの影響はあるものの、限定的とみられます。
一方、驚くべき予報となっているのが、最低気温です。ウエザーマップ社の予報では、何と、福岡の21日、22日、23日の最低気温が30℃と、ほとんど見ることのない数字です。
■「フェーン現象」と「放射冷却の妨げ」
その原因と考えられるのが、今回の台風9号による、「フェーン現象」と「放射冷却の妨げ」です。
フェーンとは、風が山を越えることで気温が上がる現象です。台風の周りを回る暖かく湿った反時計回りの風により、九州では南風となり、北部沿岸の都市の気温が上がりやすくなります。
さらに、この期間中の夜は、台風の周りの雲が九州にかかりやすくなるため、地表の熱が上空へ逃げる「放射冷却」が妨げられ、翌日の朝の気温が高いままとなります。
このような理由で、九州北部沿岸の福岡市での最低気温予報は30℃が3日連続、他にも期間中、北九州市や糸島市や下関市などで29℃と最低気温予報となっています。
■日本記録は1年前新潟・糸魚川の31・4℃
実は、「高い最低気温」の日本記録は、新潟県糸魚川で2023年8月に観測した31・4℃。これも、台風が要因の一つでした。
■就寝中の熱中症に警戒を
台風9号、いまのところ雨風、高波などでは、九州などに大きな影響はありませんが、21日、22日、23日と記録的な暑い朝となる、非常に過酷な熱帯夜をもたらすかもしれません。
眠っている間にも熱中症になることがあります。寝る30分前に水分補給し、就寝中にもエアコンなどを活用し、熱中症対策をしっかり行ってください。
RKB毎日放送 気象予報士 龍山康朗
