昼は弁当屋・夜はバスケ選手…札幌出身・田尻洋輔が見据える「3人制バスケット」いま&その先

AI要約

田尻洋輔選手が地元北海道から3人制バスケのプロリーグに挑む姿を紹介。

田尻選手のバスケットボール人生の軌跡と向上心を紹介。

バスケを楽しむ子どもたちのために、田尻選手が3人制バスケチームを立ち上げる理由を探る。

昼は弁当屋・夜はバスケ選手…札幌出身・田尻洋輔が見据える「3人制バスケット」いま&その先

2024年7月6日にエスコンフィールド(北広島市)で開催された3人制バスケットボールのプロリーグ「3x3.EXE PREMIER(スリーエックススリー・エグゼ・プレミア)」。

この大会に、地元・北海道から「FUz HOKKAIDO.EXE(フーズ・ホッカイドウ・エグゼ)」が出場しました。このチームの代表かつ選手としてチームを引っ張るのは、札幌市出身の田尻洋輔選手(37)です。

小学2年生からバスケを始めた田尻選手。その経歴は決して華々しいものではありませんでした。

東海大四中を経て強豪・仙台高校に進学するも、3年生になるまでユニフォームをもらうことができず、出場機会に恵まれませんでした。大学は地元に戻って北海学園大に進学。チームを3年連続で全国大会に導くものの、いずれも1回戦負け。それでも尽きない向上心で30年にわたってプレーを続け、3×3のプロ選手へと成長しました。

一般的にバスケットボールの世界で37歳は「超」がつくベテランです。それでも田尻選手がバスケを続けるワケは、「競技を通じた多くの出会いがあり、ワクワクにつながってきたから」だと言います。

3人制バスケとは通常のバスケの半分のコートで争う競技です。5人制のバスケよりも少ない人数でも試合することができ、攻守の切り替えの早さが魅力です。東京五輪では日本男子が世界の6位、女子が5位となり、日本での認知も広がってきました。

しかし大きなマーケットへと進化したB.LEAGUEと違い、3×3はプロバスケ選手と言っても、まだまだそれだけでは食べていけない世界です。田尻選手は朝早くから昼過ぎまで家業の仕出し弁当屋で調理や配達に勤しみ、夕方はチームの営業やマネジメント。ようやく夜にチームメイトとバスケの練習という日々を送っています。

そこまでして田尻選手が3人制バスケと弁当屋の二刀流に挑むわけは「すべては、ワクワクする未来のために」という哲学です。

今、日本は子どもの数が減り続け、5人制バスケをやることもままならない地域が増えてきています。そんな中で「3人制バスケという可能性を提示することが出来たら、バスケを楽しむ子どもたちを増やせるのではないか。そして子どもたちのワクワクにつながるのではないか。」そう考えた田尻選手は志を同じくした仲間たちと2021年にチームを設立。さまざまな自治体や企業の支援を得るために奔走し、今季でプロリーグ参入3シーズン目を迎えました。