[山口県]路線バスで時速120キロ、運転中喫煙、スマホ操作 宇部市交通局、運転手2人停職処分

AI要約

宇部市交通局の路線バス運転手2名が違反行為を犯し、停職処分を受けた。1人は時速120キロ以上で走行し喫煙、もう1人はスマートフォンを操作閲覧や電子たばこ喫煙を繰り返していた。

違反行為は匿名の通報により発覚し、厳重注意を受けた。同局では再発防止策の実施に努め、管理職も処分を受けている。

大谷唯輝局長は信頼回復に努めるとコメントしており、運転手の交通法規違反が再発したことに遺憾の意を表明している。

 宇部市交通局は25日、回送中の路線バスを時速120キロ以上で走行し、運転中に喫煙するなどした会計年度任用職員の男性運転手(41)を停職4カ月、運転中にスマートフォンを触るなどしていた正規職員の男性運転手(50)を停職3カ月の懲戒処分にしたと発表した。

 会計年度任用職員は5月15日午前7時台と午後3時台の2回、山口宇部空港とJR新山口駅を結ぶ路線で山口宇部道路を回送中、制限速度80キロと70キロの区間を時速120キロ以上で走行。さらにシートベルトを着用しなかったり、電子たばこを喫煙しながら運転したりしていた。

 同局によると、この職員は乗務歴約4年9カ月で早発や信号無視、始発地点を間違えるなどの指導歴が16回あるという。同局の聞き取りに対し、速度超過については「少しでも早く着いて休憩を取りたかった」などと話したという。

 正規職員は6月4日、路線バスの走行中や停車中、20回以上にわたり私物のスマートフォンを操作閲覧した。また始発バス停での待機時間中に2回、車内で電子たばこを喫煙。5月27日には運行途中にもかかわらず終点直前のバス停で停車し、車外で喫煙した。同局によると、この職員は腕時計をしておらずスマートフォンでの時間確認が常習的になっており、メールも確認するなどしていた。同局では車内への私物のスマートフォンの持ち込みは禁止していなかったという。

 両事案とも「バスが時速100キロ超のスピードで追い越していった」「運転手が携帯を触っており危ない」などと匿名の通報があり、ドライブレコーダーなどから行為が判明した。事案発覚後は2人とも乗務を停止。同局によると、いずれも道交法違反などの疑いで警察に通報し、厳重注意を受けたという。

 同局では2月にも路線バスの右折レーンからの追い越しや信号無視などの危険運転が発生している。今回の事案を受けて大谷唯輝局長は7月分給料の10%を自主返納し、同局は管理職4人を文書訓告とした。

 大谷局長は「再び複数の運転手による交通法規違反が発生したことは、交通局の信用を再び大きく失墜させ、極めて遺憾。再発防止策の確実な実施で、信頼回復に万全を期するよう努める」とコメントを出した。