【独自】笠岡バイパス(岡山県笠岡市)盛り土に段差や亀裂 工事ストップ、開通遅れる可能性も

AI要約

2025年度に全線開通予定の国道2号笠岡バイパス(岡山県笠岡市、7・6キロ)で路面の土台に大規模な段差や亀裂が発生し、工事がストップしていることが分かった。

段差や亀裂が発生したのは笠岡市カブト西町の国道2号沿いで、詳細な原因は不明。工事再開に向けて有識者による対策検討会を立ち上げる予定。

別の国道2号玉島笠岡道路では硬い岩盤が見つかり、工期の見直しを進めていることも判明。

【独自】笠岡バイパス(岡山県笠岡市)盛り土に段差や亀裂 工事ストップ、開通遅れる可能性も

 2025年度に全線開通予定の国道2号笠岡バイパス(岡山県笠岡市、7・6キロ)を巡り、路面の土台となる盛り土に大規模な段差や亀裂といった「変状」が生じ、工事がストップしていることが21日、国土交通省岡山国道事務所への取材で分かった。同事務所は有識者による対策検討会を7月に立ち上げ、原因究明を含めた対応を急ぐ方針だが、開通時期が遅れる可能性が浮上している。

 段差や亀裂が発生したのは笠岡市カブト西町の国道2号沿いで、長さ約100メートル、幅約40メートルに及ぶ。今年1月、舗装面の高さに地面をかさ上げするため盛り土工事を施工していた際に異常が判明。地面が約1・5メートルずり下がる段差が生じたのをはじめ、深さが約2・5メートルある亀裂などが確認された。

 岡山国道事務所は該当区間の工事を中断し、盛り土の撤去や地質調査を進めているが、詳細な原因は分かっておらず、工事再開のめどは立っていない。

 こうした状況を踏まえ、岡山国道事務所は大学教授らによる「盛土変状対策検討会」の設置を決定。7月11日に初会合を開き、現地の視察を含めた調査を重ねて工事再開や再発防止の技術的な助言を受ける計画だ。同事務所は「原因を突き止めて対応策を講じ、早期の工事再開に努めたい」としている。

 岡山国道事務所による道路工事を巡っては、同じく25年度の全線開通を目指している国道2号玉島笠岡道路(13・9キロ)についても、当初の想定を超える硬い岩盤が見つかり、工期の見直しを進めていることが判明した。

 岡山大学術研究院の西山哲教授(防災・減災工学)の話 現場は海を埋め立てた場所で、盛り土を支えるだけの地盤の強度が予想より不足していたことが原因とみられる。限られたコストの中で、地盤の強度を高める方策を検討する必要があるだろう。