⚽藤枝イズムで目指すJ1 FW矢村健 ぶれないエースの品格

AI要約

矢村健はJ2藤枝のエースストライカーとして、攻撃的な姿勢でゴールを狙う貪欲なプレースタイルを持っている。

矢村は小柄ながらも鍛え上げられた体を持ち、チームメートを驚かせるシュートを放つことで評価されている。

成長を目指しJ2でプレーを続ける矢村は、チームに貢献するために今後も精力的にプレーを続ける覚悟を持っている。

⚽藤枝イズムで目指すJ1 FW矢村健 ぶれないエースの品格

 がむしゃらなエースと呼ばれたい。無理な体勢でも貪欲にゴールを狙うのがJ2藤枝のFW矢村健(27)。「点を取るのが自分の仕事」。超攻撃的戦術に欠かせないストライカーは、リーグ後半戦もチームをけん引する覚悟を決めている。

 「素晴らしい」「スーパー」。練習中に上がる感嘆の声。“ヤムケン”こと矢村が放つシュートは時折、チームメートをもうならせる。169センチと小柄ながら、その体はレスリング選手のよう。足だけでなく、ユニホームを脱ぐと鋼のように鍛え上げられた上半身がのぞく。

 昨季、新潟から期限付きで移籍すると、秋ごろから先発の座をつかみ9得点。シーズン終了後、J1に昇格している古巣から「戻ってこないか」と声がかかったが、「1年通してどれだけできるか試したい」。自身の成長のため契約延長を決めた。

 決意を込めて臨んだ今季は得点力不足に悩んだチーム状況もあり第12節まで無得点だったが、ここから6ゴール。惜敗した清水と敵地での県勢対決では後半終了間際に利き足とは逆の左足で、体を反転させながらダイレクトシュート。元日本代表GK権田修一の好セーブに遭ったが、チームの攻撃が停滞する中、一人気を吐いた。前節横浜FC戦でも得点を奪い、本格的な夏を前にギアを上げている。

 裏に抜ける一瞬のスピードが武器だが、くさびのパスを受けてボールを失わない足元の技術を磨く。「上のレベルに行くため、プレーの幅を広げたい。身につければ、ストロングがさらに生きる」。前線からの守備に、パスを呼び込む走り出しも特長。「やるべきことを徹底している。マインドが強い」。須藤大輔監督はチーム貢献度を高く評価する。

 ピッチの中だけでなく外でも真摯(しんし)な姿勢を貫き、「すべてはサッカーにつながる。後悔しないよう生活したい」。若手に背中で示すのはプロ選手としての生き方。チームと一緒に目指すJ1の舞台へ、ストイックな点取り屋のさらなる活躍に期待がかかる。

 やむら・けん 1997年6月9日生まれ。東京都出身。千葉・市船橋高から新潟医療福祉大を経て新潟入り。2023年から期限付き移籍で藤枝へ。特技は料理。今は管理栄養士の資格を持つ妻にお任せだが、気が向くと台所に立つ。性格は負けず嫌いで、「小学生の頃は試合に負けると悔しくて泣いていた」。