長谷にドーム型美容室「ニーヨル」 山あいの景色を眺める空間演出も

AI要約

美容室「niyol(ニーヨル)」が伊那市長谷溝口にオープンした。店主は移住してきた美容師夫婦で、風がテーマの店名の由来はネーティブアメリカンの言葉。

夫婦は子どもを育てるために東京から移住し、ドーム型の建物で美容室を構えたいという構想を実現。地元住民や友人らの興味を集めた内覧会も成功を収めた。

建物は神奈川県の専門業者からキットを取り寄せて建築され、今後は改築して家族も暮らせる生活スペースを作る計画がある。

長谷にドーム型美容室「ニーヨル」 山あいの景色を眺める空間演出も

 美容室「niyol(ニーヨル)」が6月12日、伊那市長谷溝口にオープンした。(伊那経済新聞)

 店主で、共に美容師免許を持つ鍛冶超雲さんと紗妃さんは「niyolの由来はネーティブアメリカンの言葉で『風』という意味。東京から長野に移住してきた時に風が心地よく感じた。風になびく草や稲、風に舞う花びら…そんな美しい景色をドームから見ながら楽しい時間を過ごしてもらいたいと思い名付けた」と話す。

 約4年前に東京から伊那市奥高遠藤沢に移住し、2人の男児を育てている鍛冶さん夫婦。移住のきっかけは、園児数が減り廃園の危機にあった高遠第2・第3保育園のことをテレビで知ったこと。子どもをこの保育園に通わせたい、保育園が存続してほしいとの思いから移住を決めたという。

 「景色のいい場所にドーム型の建物で美容室を構えたいという構想は、東京・吉祥寺の美容室に勤務していた8年くらい前から、おぼろげながらに描いていた」という超雲さん。移住後は茅野市内の美容室に勤務しながら開業準備を進めてきた。高遠で知り合った大工と超雲さんの仲間でドームハウスを組み上げた。

 9日・10日は、お披露目を兼ねた内覧会を開いた。近隣に暮らす町内の住民には一軒一軒チラシを持参し、内覧会を案内。内覧会の開始時刻と同時に、次々と近隣住民や友人が駆けつけ、ドーム内がにぎわった。

 ドーム型のユニークな形状は、建築を始めた当初から近隣住民の注目を集めていた。近くに暮らす70代女性は「住民は興味津々に、少しずつ形を成していく建物をこれまで見守ってきた」と振り返る。町内から訪れた元大工の70代男性は「基礎が面白い形をしていて、ずっと気になっていた。内側から見学させてもらい、さらに驚いた。パネル工法になっているのが面白い」と建物の構造を見て回っていた。

 「神奈川県のドームハウス専門業者『ドームプロジェクト』からキットを取り寄せて建築した。そこの代表の小林一郎さんは長野県下伊那郡阿智村の出身で、伊那にゆかりがあった」と超雲さん。いずれ改築して、家族も暮らせる生活スペースを作る計画があるという。

 窓から山あいの景色を眺めることができる空間演出も好評で、内覧会では予約を入れる来場者の姿も見られた。

 営業時間は9時~18時。月曜と第1・第3日曜定休。