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38歳、コロナ下での国際結婚で離ればなれに……。自由な恋愛に憧れる彼女が世界をめぐって見つけたソウルメイト
35歳以降に結婚した大人婚の先輩たちの実体験を通じて、大人のマリッジストーリーが紹介される。
Mさんの大人婚物語では、シンガポールや香港でたくさんの恋を楽しんできた経験が紹介され、最終的に留学先のパリで未来の夫と出会うまでの過程が描かれる。
安心感や共通の興味を通じて結びついたMさんとTさんの関係に新たな一歩を踏み出す中で、異なる文化背景でも共感し合える理解が生まれる。
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「このままずっと一人なのかな」と悩むあなたに届けたい、本当にあった大人のマリッジ・ストーリー。35歳以降に結婚した大人婚の先輩たちに、出会ったきっかけや結婚の決め手、妊活・キャリア・親の問題まで根掘り葉掘り聞きました。ここに紡がれた幸せな物語はすべてほんもの。だから全部あなたにも起こりうること――。今回は、シンガポール、香港とたくさんの恋を楽しんできたMさんがファイナルアンサーに出会うまでの大人婚物語。
【今回の大人婚】Mさん 結婚時の年齢:38歳
外資系金融会社で働くMさんは現在41歳。三つ上、IT企業に勤める夫・Tさんと東京で暮らしています。Tさんはフランス人。出会いは、Mさんの留学先・パリでした。
もともとMさんは、小学生の頃は親の仕事の関係でオランダに住んでいたという帰国子女。大学でもオランダに留学し、その後、外資の金融会社に入社。シンガポールや香港に赴任し、海外を飛び回る生活でした。
「シンガポールや香港は、いろんな国から人が働きにきて、また去っていく流動的な人間関係。毎週末どこかでホームパーティやプールパーティが開かれ、出かけて行っては男の子と知り合い、短い恋を楽しんでいました。もともと、フランスかぶれの母の影響もあって、フランス映画に出てくるような自由な恋愛に憧れがあり、大切なパートナーが見つかれば、とくに結婚という形でなくてもいいと考えてきました」
仕事はそつなくこなして、休日は海外や島で遊ぶ。ワークライフバランスのとれた生活は楽しかったが、働き始めて10年ほど経つと行き詰まりを感じるようになった。
「仕事の環境や人間関係にはとても恵まれてはいたものの、金融の仕事に特別に強い情熱があるわけでもなく、恋愛もたくさんしましたが、どれもスパンは短くてだんだん虚無感を感じるように。なにか変えないと私の人生、どんな方向にも進まない気がしました」
香港でキュレーターの友人の手伝いなどをするうちに、もともと興味のあったアートマネジメントの世界に飛び込もうと決意し、会社を辞めてパリの大学院へ1年間留学。卒業後はパリにある日本の伝統工芸のショールームなどでバイトしながら就職先を探した。恋愛面はというと……。
「大学院はほぼ女子で異国からきた人たちなので、そこから先の人間関係が広がらない。なので、マッチングアプリで積極的に男の子を探して、マッチングデートをしていました」
危ない目には遭わなかったのだろうか。
「プロフィール写真でモノクロ・上半身裸の男の子には〈いいね〉しません(笑)。あと、イケメン過ぎる人もNG。つまらなかったら20分で席を立てるように、最初のデートはいつもハーフパイントのビールしか頼みません。このルールのおかげか、とくに危険を感じたことはなかったです」
そのアプリにある日現れたのが、未来の夫となるTさんだった。
「モノクロ・上半身裸ではなく(笑)、人のよさそうな顔をして、そしてプロフィールに日本の大学に留学経験があることが書かれてあったんです。一応いいねしとくか、って(笑)」
実はTさんはルームメイトから勧められマッチングアプリを始めたところで、最初にマッチングしたのがMさんだったそう。Mさんのプロフィール写真の笑顔に「よく笑う人だな」と惹かれたそう。
2週間メッセージのやり取りをしたあとで、バーで会うことに。
「ドキドキやときめきはなかったけれど、なんともいえぬ安心感がありました。友達が〈うまくいくときは努力しなくてもうまくいくもんだよ〉と常々話していたことがわかりました。彼はアートにとくに興味があるわけではありませんが、私が一緒に行こうと誘えばついてきてくれ、私もTの好きなサッカー観戦には付き合って、お互いの興味を共有しながらいろんなことを一緒にできる人。こんな安心できる関係は初めてでした」
日本に対しての目線がフラットなのも好印象だった。
「これまでパリで出会った男性の中には、日本人だから私に近寄ってるのかな?と思うような人もいました。〈Nippon Ichiban!〉とメッセージで送ってきたり。でもTは、日本に留学経験があってその後3年働いていたこともあり、日本のいいところも悪いところもちゃんと知っている。お互い過去の経験に似たような要素も多く、〈同じユニバースの人〉という感じがしました。付き合ううちに3人も共通の友人がいたことがわかったんですよ」