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【闘病】排便のたびに便器が血に染まる。30代で「S状結腸がん」発症、症状を放置した結果…
30歳頃から便に血が混ざり始め、総合病院では"痔"と診断されるも様子を見ていたが、腹痛や腹部の膨らみがひどくなり再検査を受ける。その結果、S状結腸がんステージ2もしくは3と診断される。
手術や抗がん剤治療が必要と告げられ、子育て中の心境や家族との関わり、リスクへの不安などから様々な思いが交錯する。
家庭や仕事の忙しさから検査の受診を後回しにしていた経験から、早期発見の重要性や家族への感謝の大切さを痛感する。
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日々の家庭や仕事の忙しさから、病院での検査の受診を後回しにしがちではないでしょうか? 今回お話をうかがったぽかりすうぇっとさん(仮称)も、病院から再検査をすすめられながら、育児の忙しさから自宅で様子をみていたママの1人です。早期発見できなかった後悔、抗がん剤治療の日々、そして「家族に素直になり、感謝を口に出して伝えるようになった」という現在までのお話を聞かせていただきました。
※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2024年2月取材。
[この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
編集部:
最初に不調や違和感を覚えたのはいつですか?
ぽかりすうぇっとさん:
30歳くらいの時です。痛みなどの自覚症状はなかったのですが、便に少し血が混ざるようになりました。近くの総合病院では「痔」と診断され、まだ若いということもあってそのまま様子を見ることになりました。
編集部:
受診から、診断に至るまでの経緯を教えてください。
ぽかりすうぇっとさん:
最初は便に少し血が混ざっていたくらいだったのが、いつの間にか排便のたびに便器の中が真っ赤になっていました。ひどい腹痛でお腹の中にガスが溜まり、ボコボコと音がしました。お腹の左側の膨らみが目で見てわかるようになり、痛みにも耐えられず救急車で病院へ行きました。CTとエコー検査の結果「腸炎」と診断され帰宅しましたが、再検査をすすめられました。
編集部:
実際に再検査されましたか?
ぽかりすうぇっとさん:
当時は、自分ががんだなんて1ミリも考えていませんでした。痛みが落ち着いたこともあり、再検査へは行かずにそのまま自宅で様子を見ていました。しかし、その3ヶ月後にまた同じ腹痛が起きて便もガスも出なくなり、痛みに耐えられず夜間診療を受診しました。そこで造影剤を使ったCT検査で「S状結腸がんステージ2もしくは3」と診断されました。
編集部:
「S状結腸がん」について医師からどんな説明がありましたか?
ぽかりすうぇっとさん:
結腸は大腸の末端にある部分のことで、中でも「S状結腸がん」はお腹の左側にあるS字型にカーブしている部分にできる悪性腫瘍のことです。肛門に近い部分の為、血便で発見しやすいみたいです。私はさらに腸閉塞の症状も出ていました。
編集部:
どのように治療を進めていくと医師から言われましたか?
ぽかりすうぇっとさん:
まず、閉塞してしまった腸を広げるためのステント処置をしました。その後は手術が必要とのことで「どこの病院で手術をするか決め、ほかの病院でするのであれば紹介状を書きます」と言われました。その病院では、お腹を切ってがんを取り出す「開腹手術」になる可能性が高く、傷の少ない「腹腔鏡手術」をするには転院が必要だったのです。また、場合によっては人工肛門になる可能性があること、そして手術後の状態次第で抗がん剤治療をすることになるでしょうと説明を受けました。
編集部:
そのときの心境について教えてください。
ぽかりすうぇっとさん:
子育て中だったので、「入院中、子どもたちはどうしたらいいのか」「毎日お仕事で帰りの遅い夫に育児や買い物、家事はできるのか」と、とにかく今置かれている状況の整理をするのが精一杯でした。一方で、実母がS状結腸がん経験者で現在も再発転移なく健在だったため、なんとかなるだろうという気持ちもありました。ただ、隣で夫が泣き崩れる姿を見て、命に関わる病気だとだんだん実感し、夫婦でたくさん泣きました。