高齢化が進む皇室…佳子さまの役割、大きく 3度目の外国公式ご訪問

AI要約

秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さまがギリシャを公式訪問。国際親善の一環で陛下のメッセージを携えての活動が大きな役割。聴覚障害者との交流も特筆される。

佳子さまは外国公式訪問を3回目に迎え、事前に準備を重ねて臨む。皇族の国際親善活動の担い手として期待されている。

女性活躍の象徴としても注目される佳子さまの活動。皇室と国民の親近感を高める役割を果たしている。

高齢化が進む皇室…佳子さまの役割、大きく 3度目の外国公式ご訪問

秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さまが25日から8日間の日程で、ギリシャを公式訪問される。佳子さまは現在、全日本ろうあ連盟に勤務する一方、皇族としてさまざまな公的活動に臨まれている。皇室の高齢化が進む中、外国訪問などの国際親善の担い手も減少傾向にあり、天皇陛下の次世代の成年皇族として佳子さまが担われている役割は大きい。

令和元年のオーストリアとハンガリー、昨年のペルーに続き、佳子さまの外国公式ご訪問は3回目。国際親善を目的とした皇族方の外国ご訪問では、陛下のメッセージを携えての国家元首との面会のほか、さまざまな公式行事や現地の日本人との交流などの日程が組まれる。訪問先の施設や懇談相手の情報など、事前にさまざまな資料に目を通し、識者から話を聞くなどして臨まれる。

今回も佳子さまは出発に先立ち、日本ギリシャ協会や、ギリシャのオリンピア市と姉妹都市である愛知県稲沢市の関係者から説明を受けたほか、16日には在京ギリシャ臨時代理大使が主催する昼食会にご臨席。「心を込めて準備に当たられている」(側近)という。

佳子さまは姉の小室眞子さんの結婚に伴い、日本工芸会総裁などの役職や、「全国都市緑化祭」など恒例の地方公務をご継承。女子硬式野球の大会など新たな活動にも取り組み、昨年は皇居での祭祀(さいし)などを除いて東京都内で30件、地方で10件の行事に臨まれた。

特徴的なご活動の一つが、聴覚障害のある人やその家族との交流だ。秋篠宮妃紀子さまから引き継ぐ形で、「聴覚障害児を育てたお母さんをたたえる会」や「全国高校生手話パフォーマンス甲子園」などに例年ご臨席。ペルーでは現地の手話で聴覚障害児と交流し、今回のギリシャでも聴覚障害者施設を訪問される。

皇室の活動に詳しい成城大の森暢平教授は「平成では、上皇ご夫妻の長女の黒田清子さんが単独で外国公式訪問などを担っていたが、佳子さまも皇嗣(こうし)家の次女として、重要な役割を果たされている」と指摘。その上で、「女性活躍という観点でも、象徴的なご存在。皇室は明治以降、国民との『近さ』を重視してきたが、佳子さまを通じ、皇室に親しみを感じる国民も多いのではないか」と話す。(吉沢智美)