本国価格は900万円超え　フォルクスワーゲン・ゴルフの最速最強モデル、Rが本国でマイナーチェンジ

フォルクスワーゲン・ゴルフの最速最強モデル、「ゴルフR」がハッチバック・モデル、ワゴン・ボディの「ヴァリアント」ともにドイツ本国でマイナーチェンジを受けた。

◆333psへと出力をアップ

最新版のゴルフRとゴルフRヴァリアントは、2.0リッター直4ターボの出力を向上。改良前の14㎰アップとなる333㎰（245kW）/420Nmを発生する。最高速はリミッターで250km/hに制限されるが、オプションの「Rパフォーマンス・パッケージ」を装着すると、20km/hアップの270km/hまで引き上げることが可能だ。新型ゴルフRは、上級モデルの「フォルクスワーゲン・アルテオンRシューティングブレーク5」と並び、フォルクスワーゲンの市販モデルで最速モデルとなる。

◆7段DSG＋4WD

ドライブトレインはこれまで通り、デュアルクラッチ式7段自動MTのDSGとRパフォーマンス・トルク・ベクタリングを備える4WDの4モーションの組み合わせだ。

シャシーでは、「アダプティブ・シャシー・コントロール」（DCC）が標準装備される。ステアリングやブレーキ、アクセレレーターなどさまざまな入力要素を考慮しながら、路面や走行状況に合わせて常時対応し、常に最高レベルの快適性と走りを両立する。

◆Rパフォーマンス・パッケージ

「Rパフォーマンス・パッケージ」を選ぶ、最高速度の向上に加え、ルーフ・スポイラーが大型化され、ダウンフォースを向上。「GPSラップタイマー」と「Gメーター」も含まれていて、「デジタル・コックピット・プロ」に表示される。

さらに、「ドリフト」と「スペシャル」という2つの走行モードが追加される。どちらもモータースポーツ走行向けのモードで、「スペシャル」は、エンジンやステアリングなどの特性がニュルブルクリンク北コースのコンディションになる。

◆R専用装備でドレスアップ

よりシャープになったエクステリアは、多彩なR専用装備により構築されている。「LEDプラスヘッドライト」をはじめ、VWのイルミネーション・バッジ、エアロ・バンパー、新しいLEDテールライトなどが用意された。足元には、サーキット走行も見据えた、新しい19インチ鍛造ホイールがオプション設定されている。すっきりとしたデザインが特徴で、ばね下重量の軽量化と効率的なブレーキ冷却に寄与している。

また、インテリアは人間工学に基づき設計され、運転席と助手席には、ヘッドレスト一体型のスポーツシートが備わる。オプションの「ブラック・ナッパレザー」には、カーボン調加飾とサイドのブルーのアクセント、「R」のロゴが配置されている。さらに、オプションとしてリアル・カーボンを用いたインテリア装飾も設定した。

◆インフォテインメントを刷新

インフォテインメント・システムのハードとソフトが刷新されたのが大きなトピック。フォルクスワーゲンで最大のディスプレイ（対角32.8cm）が採用され、タッチディスプレイの新しいグラフィックと新しいメニュー構成により、操作性も大幅に向上している。さらに、やや使いにくかった感のあるオートエアコンやボリュームコントロールのイルミネーテッドタッチスライダーの操作性も改善されたのも朗報だ。

さらに、音声アシスタントの「IDA6」も新たに開発され、エアコンや音量調節などの操作が可能になり、ステアリングホイールに備わるタッチ式スイッチの反応性も最適化されるなど、ユーザーインターフェイスの改善も盛り込まれている。

液晶画面を用いたヴァーチャル・メーター表示の「デジタル・コックピット・プロ」も標準装備されていて、ほかのゴルフにも備わるクラシックな表示に加えて、スポーツ表示の充実が図られ、中央の円形のレヴ・カウンターがR専用デザインになる。

◆ブラック仕立ての特別仕様車も登場

マイナーチェンジ・モデルと同時に、特別仕様車の「ゴルフRブラック・エディション」も発表された、ダークカラーのVWバッジとRロゴ、ブラックのRロゴ入りブレーキ・キャリパー、ブラックの19インチ・アルミホイール、そしてブラックのテールパイプトリムが含まれている。ダークカラーの「IQ.LIGHT LEDマトリクス・ヘッドライト」も標準装備になる。さらに、ベースモデルではオプションの「Rパフォーマンス・パッケージ」も含まれている。

ドイツでは、2024年7月3日より先行販売が開始され、価格は、ゴルフRが5万3795ユーロ（約940万円）～、ゴルフRヴァリアントが5万5065ユーロ（約960万円）～、ブラック・エディションが5万8440ユーロ（約1020万円）～となっている。

文＝塚田勝弘

（ENGINE WEBオリジナル）