小説「安曇野」の復刊目指す長野・安曇野市 CFで目標上回る160万円の寄付集まる

AI要約

長野県安曇野市が、絶版になっている小説「安曇野」の復刊に向け、クラウドファンディングで寄付を募り、目標金額を超える支援を受けている。

小説「安曇野」は、安曇野出身の編集者である臼井吉見による長編大河小説で、昭和40年に刊行された。実在の人物や安曇野の名を全国に広めた作品である。

現在絶版となっている「安曇野」は、市が復刊を目指し予算を確保し、クラウドファンディングでさらなる支援を募っている。復刊は令和7年2月を予定している。

長野県安曇野市が、絶版になっている小説「安曇野」の復刊に向け、クラウドファンディング(CF)で寄付を募ったところ、早々に目標金額100万円を超え160万円に達し、関心の高さに驚いている。寄付は8月27日まで、CFサイト「ふるさとチョイスGCF」で受け付けている。

小説「安曇野」は、安曇野出身の編集者であり小説家、臼井吉見(1905-87年)の長編大河小説。明治から昭和にかけての激動の時代を描く5部作で、昭和40年6月から49年5月にかけ筑摩書房から刊行された。

東京・新宿で「中村屋」を創業した安曇野出身の相馬愛蔵と妻の良(黒光)ら5人を主な登場人物とし、実在する2千人以上が登場するのも特徴だ。当時、自治体名としてはなかった「安曇野」の名を全国に広めるきっかけになった。

現在は絶版になっており、市は小説完結50周年の節目を迎えたいまこそ、多くの人に「安曇野」を知ってもらおうと、筑摩書房に復刊を委託するため740万円余りを予算化。さらに支援を集めるため、1万円以上の寄付者(個人)に復刊本の巻末に名前を記載できる特典をつけ、CFで寄付を募ることにした。

復刊は令和7年2月、800セットを予定。販売はセット売り(税込み7040円予定)のみ。

市政策経営課の担当者は「予想以上の寄付が集まり驚いている。特に地元の方に関心を持っていただいている」と話している。