何度も同じ時間の繰り返し! 傑作タイムループ映画5選!

AI要約

映画『恋はデジャ・ブ』はタイムループを題材にした名作で、気象予報士のフィルが同じ日を繰り返し、運命を変えていく姿が描かれる。

『オール・ユー・ニード・イズ・キル』はトム・クルーズ主演のSF作品で、人類と侵略者の戦いをタイムループを巧みに取り入れて描いている。

両作品はタイムループの効果を巧みに描きながら、それぞれ異なるテーマや展開を持っている。

何度も同じ時間の繰り返し! 傑作タイムループ映画5選!

タイムループとは、何度も同じ時間が繰り返され、その“ループ”から抜け出せないこと。しかし繰り返すことで運命が変わっていき、新たな何かが見えてくる……。非現実的なシチュエーションながら、映画にはぴったりの題材。ジャンルも意外なほど多岐に渡っている。そのタイムループものの中で“お手本”的な作りで長年愛されているのが『恋はデジャ・ブ』だ。春の到来を告げる2月2日のお祭り、グラウンドホッグデー(これが本作の原題)を取材するため、ペンシルベニア州の町を訪れた人気気象予報士のフィルが、原因不明のタイムループにハマり込んでしまう。目を覚ますと、前日の朝に戻っており、フィルは延々と2月2日を繰り返す。それはフィルだけの現象で、やがて彼は前日の失敗をやり直したりして、思いのままに運命を変えていく。

仕事仲間の女性との関係を接近させるなど、身近な出来事について“前日をリセットする”設定なので、誰もが感情移入しやすいのがポイント。延々と終わらないタイムループに嫌気が差しながら、開き直って新たな趣味を見つけるなど、フィルの心の変化にいちいち納得させられる。フィル役のビル・マーレイが、おなじみのとぼけた味わいを全開。監督のハロルド・ライミスは、マーレイと『ゴーストバスターズ』で共演した盟友だ。“人間の幸福とは何か?”という深いテーマも込められつつ、オチのつけ方が軽やかだったりして、とにかく観ていて心地いい傑作!

執拗に繰り返されるタイムループを、アクション大作で巧妙に取り入れたのが、トム・クルーズ主演の『オール・ユー・ニード・イズ・キル』。原作が日本の桜坂洋のライトノベルというのも、公開時に話題となった。舞台は近未来の地球。強大な戦力を有する侵略者“ギタイ”によって、人類は滅亡の危機に瀕していた。軍の広報担当だったウィリアム・ケイジ少佐が最前線に送られるも、戦闘経験がなかったため、あっけなく死亡。しかし次の瞬間、彼が目を覚ますと出撃の前日になっていた。そしてこの“ループ”が続くことになる。

兵士として未熟だった主人公が、繰り返される戦闘でどんどん技術や瞬発力、さらに精神力まで磨かれていく。タイムループの“効能”が、ここまで実感できる作品も珍しい。ウィリアムがループする理由も、劇中ではっきりと描かれており、この点も異色。トム・クルーズが演じているので、ウィリアムが強くなっていくプロセスには説得力もあり、むしろ初期段階の“弱さ”がトム・クルーズ作品としては新鮮かも。かつて同じ経験をした軍曹のリタとウィリアムの関係性が、ループの繰り返しとともに変化していく様子や、戦闘用の機動スーツ、ギタイを模したトレーニング用のマシンなど、SF映画として秀逸なガジェットデザインも見どころ。