有害な廃水放出された「水俣病の原点」AR技術で再現へ 百間排水口の樋門も新調 熊本県が関連予算案

AI要約

熊本県は水俣病の原因とされる百間排水口の樋門を新調し、AR技術を使用して廃水放出時の光景を再現する関連事業を1100万円で計上した。

2026年に水俣病公式確認70周年を控え、歴史と教訓を後世に伝える意図がある。

他にも水俣市立資料館やホームページの多言語化に向けた取り組みが進められている。

有害な廃水放出された「水俣病の原点」AR技術で再現へ 百間排水口の樋門も新調 熊本県が関連予算案

 熊本県は県議会定例会に提出する2024年度一般会計補正予算案に、「水俣病の原点」とされる百間排水口(水俣市)の樋門(ひもん)を新調し、拡張現実(AR)の技術を使って有害な廃水が放出されていた当時の光景を再現するなどの関連事業費1100万円を盛り込んだ。

 水俣病の公式確認から70年の節目となる26年に向けて歴史と教訓を後世に伝えていく狙い。

 百間排水口は、水俣病の原因企業チッソが1932~68年に水銀を含む廃水を放出した場所で、昨年8月に老朽化した木製ゲート4基が取り外された。県は4基を年度内に新調する予定で、ARによる樋門周辺の再現には当時の写真などを活用するという。

 このほか、水俣市立水俣病資料館の水俣病語り部のインタビュー映像制作や、ホームページの多言語化のために400万円を計上する。 (古川剛光)