50代「早期退職する場合」に気をつけることって?

AI要約

早期退職した場合の確定拠出年金の処理や再就職時の注意点について詳細に解説されています。

確定拠出年金を受け取るタイミングや所得税の節約方法について具体的なアドバイスがあります。

記事の専門家からのアドバイスを通じて、リタイア後の資産運用や所得税対策の重要性が理解できます。

50代「早期退職する場合」に気をつけることって?

仕事をやめたらもらえるお金のこと、今からしっかり学びたい。リタイア後のお金の質問や悩みに専門家が回答!「早期退職する場合、企業型確定拠出年金はどうなるの?」など、確定拠出年金の疑問について教えてもらった。

A.個人型に切り替えなければいけない場合もあります

早期退職すれば、会社が導入していた企業型確定拠出年金の加入資格は喪失。退職後6カ月過ぎても手続きを行わない場合、これまでの資産(運用商品)は現金化されたうえで自動的に国民年金基金連合会に移され、その後は現金のまま保管。その後の運用はできなくなってしまう。

「そうならないよう、退職6カ月以内に、個人型確定拠出年金(iDeCo)に移しましょう。iDeCoを扱っている金融機関の中から移管先を選び、加入が認められれば、掛け金を自分で負担することで運用を続けられます」。

再就職する場合、新しい勤務先が企業型確定拠出年金を導入していれば、継続が可能。ただし、企業によって運用を委託している管理機関は異なるため、資産はいったん現金化されてから、新しい勤務先が委託している運用機関に移管されることに。勤務先が企業型確定拠出年金を導入していないなら、再就職しない場合と同様、iDeCoに切り替え、60歳まで運用を継続するのがおすすめ。

A.確定拠出年金を退職の翌年以降にもらいましょう

「一括で受け取る確定拠出年金と退職一時金の合計額が、退職所得控除額よりも低い場合は同時にもらっても所得税はかかりませんが、超える場合は、確定拠出年金を退職の翌年以降に受け取るのがおすすめ。退職一時金で退職所得控除を活用すると、翌年以降に受け取る確定拠出年金には退職所得控除は適用できませんが(退職所得控除は一定期間あけないとフル活用できず、減額される)、同時にもらうよりは所得税が少なくてすみます。65歳以降に退職する場合は、60歳で確定拠出年金を一括で受け取り、65歳で退職一時金の受給を。確定拠出年金を受け取ったあと、退職一時金の受給までの期間が4年超空いていれば、どちらも退職所得控除をフル活用できてお得です」

教えてくれた人

マネージャーナリスト、税理士 板倉 京さん

いたくら みやこ●女性税理士の組織、ウーマン・タックス代表。相続や資産運用などシニア世代を中心に年間100人以上の相談を受け、メディアでも活躍するアラフィー世代。『定年前後のお金の正解』(ダイヤモンド社)ほか、著書多数。

取材・原文/村上早苗 イラスト/別府麻衣 

※エクラ2024年6月号掲載