健診結果が出たら「血小板数(PLT)」必ずチェック! 数値が高いと起きる「恐ろしい」事態とは

AI要約

血小板数の異常について、低い場合や高い場合のリスクと対処法について解説しています。

血小板が少ないと出血しやすくなり、多いと血栓ができるリスクがあることを紹介しています。

異常が続く場合は、薬の副作用や深刻な病気の可能性もあるため、適切な対処が必要であることを述べています。

健診結果が出たら「血小板数(PLT)」必ずチェック! 数値が高いと起きる「恐ろしい」事態とは

 毎年1回は受けることが義務付けられている職場健診。健診結果の異常を示す「*」がついた数値には、実は気にしなくて良いものもあれば、今すぐに再検査を受けなければならないものもある。果たしてあなたは診断結果の本当の意味を理解しているだろうか。

 BMI・血圧・尿糖・眼底など項目別にその検査結果の正しい見方を解説した『健診結果の読み方』(永田宏著)より一部抜粋してお届けする。

 『健診結果の読み方』連載第15回

 『白血球数が急に増えたら「要注意」…「病気のシグナル」が示すあなたの健康状態』より続く

 血小板数(PLT)も、健診で必ず測定する項目です。基準範囲は病院や健診会社によって多少違っていますが、1マイクロリットル当たり、おおよそ13万~40万といったところです。

 血小板は、止血の中心的な役割を担う細胞です。血管が切れたり傷ついたりすると、血小板が集まってきて、フィブリンという血液中のタンパク質と結合して、かさぶたを作ります。血小板が少ないと、血が固まりにくくなるため、普通に生活していても、歯茎からの出血が生じやすくなったり、あざ(内出血)ができやすくなったりします。

 逆に多過ぎると、血管内で塊(血栓)を作りやすくなります。それが血管を塞ぐと、脳梗塞や心筋梗塞、深部静脈血栓症、肺塞栓症など、さまざまな病気を引き起こします。

 深部静脈血栓症は、足の付け根やふくらはぎの静脈が血栓で塞がれて、足全体が紫色に腫れあがる病気です。また肺塞栓症は、血栓が肺動脈に詰まって、呼吸が苦しくなり、時には命に関わる病気です。エコノミークラス症候群として知られています。

 数値が低過ぎる場合は、特発性血小板減少性紫斑病、再生不良性貧血、急性白血病など怖い病気の可能性があります。しかし本当にそうだったら、すでに病院に行っているはずですから、健診がきっかけではじめて見つかることは、滅多にありません。

 また飲んでいる薬のせいで、血小板が減ることもあります。気になるようなら、薬剤師などに相談してみるといいでしょう。しかしちょっと低い程度なら「体質」と言われるだけかもしれません。

 多すぎる場合は、健診前に風邪などの感染症に罹っていた可能性があります。白血球と同じで、血小板は感染症で増えることが知られています。また鉄欠乏性貧血でも血小板が増えやすくなります。しかし原因の病気が解消すれば、血小板数はもとに戻ります。

 がんや関節リウマチでも、血小板が増えることがあります。その場合は、やはり大半の人がすでに病院にかかっているはずですから、健診で初めて見つかることは、ほとんどないでしょう。

 可能性は低いですが「本態性血小板血症」という厄介な病気もあり得ます。血小板を造る骨髄細胞の異常によって起こります。血小板数が100万を超えることもあり、しかも血小板自体に異常が見られるようになります。初期にはほとんど自覚症状がないため、逆に健診で指摘され、精密検査で見つかることがあります。

 重症化すると、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まると言われていますから、気になる人は血液内科を受診してください。