差し出した「離婚届」を破ったあと、私を押し倒して…29歳女性が「宗教二世のモラハラ夫」から受けた「最悪の仕打ち」

AI要約

2022年7月、宗教二世という存在が注目を集める。

岩田恵麻さんが夫の宗教団体に強制入信させられた結果、深刻なトラブルに巻き込まれる。

離婚をめぐる争いで、宗教とモラハラが絡む複雑な状況が浮かび上がる。

差し出した「離婚届」を破ったあと、私を押し倒して…29歳女性が「宗教二世のモラハラ夫」から受けた「最悪の仕打ち」

 2022年7月。安倍元首相の襲撃事件をきっかけに注目を集めた宗教二世という存在。宗教二世というのは特定の信仰を持つ親の影響を受けて育った子供のことであり、子供自身の意思とは関係なく、思想や行動に制限が加えられてしまうところに問題がある。

 子供の教育に悪影響を及ぼさない宗教であれば二世といえども、何ら問題のない話であるが、そうとも言えない宗教が絡んだ親の「おしつけ教育」に何の疑問を持たずに成長した子供が、育った環境も大きく違う信者以外の女性と結婚すればふたりの間に摩擦が生じるのは想像に難くない。

 岩田恵麻さん(仮名・29歳)がまさしくそうだった。

 彼女は大学時代に知り合った夫(仮名・35歳)と結婚したが、結婚後、夫の実家がXという宗教団体の熱心な信者だったことから、強制的に入信させられ「人権を無視する生活を強いられた」と訴えた。彼女は現在、信者ネットワークを駆使して嫌がらせを仕掛てくる夫によって、深刻なトラブルを抱えている身の上である。

 Xの内情に詳しく、恵麻さんの担当弁護士としてついたA氏は、恵麻さんを「Xという宗教と組織に翻弄された犠牲者」だと表現する。

 「宗教による離婚は珍しくない事例です。婚姻したときと同様に、双方の合意があれば離婚は成立します。問題は離婚したくても、相手がそれを拒否してきた場合です。その場合は離婚を求めて争うことになります。

 離婚は『相手が特定宗教の信者だから』や『不気味だと思うから』というだけでは成立しません。信仰の自由を尊重すべきであり、宗教を信仰しているというだけでは『相手に故意・過失の責任がある』とは言えないからです。

 離婚を成立させるには、不貞行為を働いた、生活費を払ってくれないなどの悪意の遺棄があるなど、民法770条1項で定められている特定の理由が必要になってきます。その点においても恵麻さんの話を聞く限り、裁判でも十分に勝てるだけの“被害”にあっていました。ところが現実は、モラハラと不貞行為を繰り返した夫に、宗教の力でかなり追い込まれており、慰謝料まで請求されている」(弁護士のA氏)

 一体なにがおきているのか順を追ってリポートしていく。

 ※彼女の身の安全とプライバシー保護のため、一部内容を変更しています。ご了承ください。