初公開! 日本経済新聞社の社内マーケティング人財育成プログラムとは?

AI要約

日経が2022年から実施しているマーケティング人財育成プログラムについて、プログラムの背景や目的、内容について紹介されている。

プログラムは顧客視点や価値創造を重視し、マーケティングに本腰を入れる必要性から始まった。定義を共通言語化し、100名を3年間で受講する計画で進行している。

参加者は収益に関わる部門を中心に選出され、グループ会社からも募集する予定。プログラムの目的は顧客に対する価値の創造と便益の最大化を通じて事業の成長を促進すること。

初公開! 日本経済新聞社の社内マーケティング人財育成プログラムとは?

日本経済新聞社(以下、日経)では、マーケティング人財育成プログラムを内製し、2022年から実施している。日本のビジネスシーンをリードする日経は、どのようなプログラムを実施しているのか。背景や目的、プログラムの内容について、日本経済新聞社 プラットフォーム推進室の小林秀次氏と福澤由華氏に聞いた。

※この記事では、「人材」を「人財」と表記しています。

 

日経には、新聞メディア事業以外に、データベースサービス、書籍・出版、教育・研修、イベント、デジタル情報・サービスなど、多様な事業があり、新聞メディアとしての強いブランド力がある。これまでは、「新聞を購読することは社会人の常識」という風潮があり、そうしたブランド力をベースにして他の事業も進めてきた。

しかし、スマホが普及し、ビジネスに関する情報取得チャネルが多様化する中、この先もずっと選ばれ続けることの不透明感が増している。顧客は誰なのか、顧客にどんな価値を提供するべきなのかを考えること、すなわちマーケティングに本腰を入れて取り組む必要が出てきたのだ。そこで、全社的なプラットフォームを整備することをミッションとするプラットフォーム推進室のマーケティング&グロースGが中心となり、2022年からマーケティング人材育成プログラムを実施している。

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そもそも、顧客視点や顧客理解を前提とすべきという考え方が定着していなかった。それを大事にしようというメッセージを強く打ち出したのが、この取り組みの大きな特長(小林氏)

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ナレッジを社内で横展開するためには、ナレッジを構成する概念を共通言語化しておく必要がある。特に、「マーケティング」という用語は対照する範囲が広く、人によって定義が異なる。考え方を統一してからでないと、そもそも会話が成り立たない。

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日経の中でのマーケティングでは何を大事にするのか、マーケターの必要要件は何なのか、という定義から決めた。定義が決まっていないと、どこを目指していいかが決まらない(小林氏)

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カリキュラムを制作するにあたり、日経における「マーケティング」の定義を『価値の創造、市場の創造』とし、「顧客に対する価値の創造と便益の最大化により、事業の売上、利益を最大化させる」ことができるようになるためのプログラムを作った。

プログラムは3年間で100名に受講してもらう計画で始まった。収益に関わる部門を中心に各部署から毎年1~2名を選出。2年目となる2023年からは一部のグループ会社からも参加者を募っている。3年目の今年は、若手約40名が参加して5~9月に実施される。100人いれば、1つの事業に複数人の受講経験者がいることになる。