<新連載>[DSP大全]搭載されている主要機能の効果を解析!…クロスオーバー

AI要約

カーオーディオ愛好家の多くがDSPを使用しており、その機能について解説している。

DSPは音響的な不利要因に対処するためのデジタルユニットであり、クロスオーバーという機能は音楽信号の帯域分割を可能にする。

カーオーディオでは、取り付け状態によって最適な帯域分割が変化するため、DSPのクロスオーバー機能は便利である。

<新連載>[DSP大全]搭載されている主要機能の効果を解析!…クロスオーバー

カーオーディオ愛好家の多くが、「DSP」なるユニットを使用している。前回からスタートした当特集では、これが何なのか、なぜに愛好家の多くが使っているのか、そしてこの有効な使用法までを解説しようと試みている。

今回からは、これに搭載されている機能の1つ1つについて、それらがどんな効果を発揮するのかを解説していく。

ところでDSPとは、デジタル状態の音楽信号を制御するためのユニットだ。車室内環境には音響的な不利要因がいくつかあるが、DSPを使うことでそれらへの対処が可能となる。ゆえに愛好家の間ではマストアイテムとなっている。

さて、どのような機能がどんな不利要因に有効なのかというと…。

まずは、「クロスオーバー」という機能について説明しよう。これはつまり、音楽信号を「帯域分割」する機能だ。カーオーディオでは「マルチウェイスピーカー」が使われることが多い。例えば「2ウェイスピーカー」というものがあり、これでは高音再生用のスピーカーである「ツイーター」と中低音を再生するための「ミッドウーファー」とが用意され、全帯域のスムーズな再生が目指される。

で、クロスオーバーを使うと、フルレンジの音楽信号をツイーター用の高音とミッドウーファー用の中低音とに分割できる。

ところで、カー用のスピーカーを購入すると多くの場合、「パッシブクロスオーバーネットワーク」と呼ばれるパーツが付属されている。これはまさに、音楽信号の「帯域分割」を行う装置だ。つまりこれがあればDSPの「クロスオーバー機能」は必要ない、と思いきや……。

実際は大いに必要だ。その理由はズバリ、「取り付けコンディションによりベストな帯域分割の仕方が変化するから」だ。

ちなみにいうと、ホーム用のスピーカーもボックス内に「パッシブクロスオーバーネットワーク」が仕込まれている。それにてそのスピーカーにおいてのベストな「帯域分割」が実行される。

しかしカーオーディオでは取り付け状態が都度異なるので、そのスピーカーにおいてのベストな「帯域分割」の仕方が変化する。