「Xiaomi 14 Ultra」のクアッドカメラはどこがスゴい? 細かすぎるこだわりで「最強のコンパクトデジカメ」に

AI要約

「Xiaomi 14 Ultra」は日本でも発売され、カメラ性能や使い勝手に注目が集まっている。カメラの性能や使い方、設定の細かさについて紹介。アウトカメラには「超広角」「広角」「望遠」の4つのカメラが内蔵されており、高画素で安定したクオリティーを実現している。

画作りにもこだわりがあり、「Leicaオーセンティック」と「Leicaバイブラント」の2種類の画作りが用意されている。それぞれの特徴や撮影した写真の比較を通して、異なる表現が可能であることが示されている。

料理や屋外などさまざまなシーンにおいて、撮影結果の違いや使い分けが詳細に紹介されており、写真愛好家やプロカメラマンにとっても魅力的なカメラであることが伝えられている。

「Xiaomi 14 Ultra」のクアッドカメラはどこがスゴい? 細かすぎるこだわりで「最強のコンパクトデジカメ」に

 グローバルイベントで発表されたときから、ずっと気になっていたアイツ。とうとう日本でも発売されたのである。「Xiaomi 14 Ultra」である。

 ライカ(Leica)との共同開発ということで話題なのだけど、そのデキはどうなのか……?

 取りあえず、今回はカメラとしての性能や使い勝手しかみてないのだけど、現在(日本で正規に購入できる)スマホカメラの中では最高かもしれない。使っている部材や写りを見るだけで、ひと味違うってのが分かるのだ。

 この記事では「カメラ性能の話」「実際に撮ってみた感触」そして「あまりに細かく設定できるので頭が混乱したよ」って話をしたい。

 見ての通り、Xperia 14 Ultraのアウトカメラは、でっかい円形のカメラユニットの中に4つのカメラが仕込まれた「クアッドカメラ」である。

 全体が円の中に収まっているのは、別売の「Photographyキット」を装着することで各種フィルターを付けられるからだ。今回は残念ながらPhotographyキットはなしで。なしでも十分イケる。

 アウトカメラの内訳は、次の図の通り。「超広角(12mm)」「広角(23mm)」「3.2x望遠(75mm)」「5x望遠(120mm)」だ。

 クアッドカメラ自体はもはや珍しくないけど、注目すべき採用するイメージセンサーだ。

 まず、全カメラが5000万画素である。それ以上にすごいのは、メインの23mm(35mm版換算で23mm相当……なのだけど、毎回そう書くのは面倒なので、以下「23mm」と記します)カメラは1型の大きなセンサーでソニーの「LYT-900」。LYTIAシリーズのハイエンドモデルで最新のセンサーだ。

 残り3つはソニーの「IMX858」。1/2.51型の5000万画素センサー。注目したいのは3つカメラが同じセンサーを使っていること。これによって、微妙な色彩や階調といったクオリティーが安定する(他社の製品だと、カメラによってセンサーサイズが違っていてクオリティーに差が出がち)。

 もちろん、原則として「クアッドピクセル」として4画素を1つにするので、撮れる絵は1250万画素相当になるけど、全カメラの画素数をそろえてきたのは素晴らしい。

いつものガスタンクを撮り比べ

 では12mmから120mmまで順番に見ていこう。

 カメラアプリでは、0.5x→1x→2x→3.2x→5xと5つのズーム倍率ボタンがあるのでそれに従って。

 全体に派手すぎず、塗り絵っぽさも、無理なシャープネスも感じない。リアルでいい描写だ。無理にシャドーを持ち上げたり、空を青々とさせたりもしてない。この辺、写真好きには好まれる画作りで、それだけでも絶賛したい感じ。

画作りを選べるのもよし

 だがしかし、それだけじゃないのである。このカメラ、デフォルトで2種類の「画作り」(イメージプロファイル)が用意されている。「Leicaオーセンティック」と「Leicaバイブラント」だ。

 ライカのニュースリリースの説明によると、オーセンティックは

美しく自然な色の再現や、くっきりとした陰影、リアルなコントラスト、細部に至るまでの再現性に重点が置かれています。(中略)ライカズミクロンレンズで撮影したような写真に仕上げています

 そしてバイブラントは

シャオミのスマートフォン撮影のノウハウとライカの特徴的な画像美学が融合。鮮やかでありながらリアルな色彩の世界

 だそうである。

 オーセンティックは「正統的」という意味なので、オーセンティックはライカ伝統の画作り。対してバイブラントはスマホカメラらしく鮮やかな味付けなのだろう。

 実際に両者の違いはどうか。撮り比べてみると、一目瞭然だ。

 バイブラントの方が青空がより青く原色に近い写りだし、シャドー部も持ち上げられている。スマホのカメラっぽい写りだ。

 人物を撮っても、画作りには結構差が出る。

 上がオーセンティック、下がバイブラントだ。オーセンティックの方が「写真」っぽくて、バイブラントは「スマホ」っぽい。バイブラントの方が彩度が高めであるのみならず、シャドー部が持ち上がってHDRっぽくなっている。

 今回は屋外で撮ったのでより強めに差が出たけど、「じゃあ室内はどう?」ってことで次は料理を撮ってみる。

 上がオーセンティックで下がバイブラント。写真としてはオーセンティックの方がコントラストがはっきりしててカッコいいし、どっちも色はきれいに出ていて素晴らしい写りなのだけど、料理写真としてはバイブラントの方が影になっている部分も明るく持ち上がっていて、どんな料理か伝わりやすい。

 写真好きの人や普段から本職カメラを使っている人は「オーセンティック」を好みそうだが、ケースバイケースで撮り分けられるところが素晴らしい。