【脳がバグる】ガンプラ「ストライクフリーダム」「エアリアル」「Mk-Ⅱ」アニメ風塗装で立体化!のっぺりとした表面に影を入れていくのが楽しい

AI要約

ガンプラの魅力を発信するモデラーのインタビュー。今回はアニメ風塗装のガンプラ製作について語る。

モビルスーツに影を描き込む苦労や楽しみ、新しい発見や学びについても紹介。

影の入れ方に重点を置いて製作する中で、影を描き入れることの重要性を再認識。

【脳がバグる】ガンプラ「ストライクフリーダム」「エアリアル」「Mk-Ⅱ」アニメ風塗装で立体化!のっぺりとした表面に影を入れていくのが楽しい

誕生から40年以上が経った今なお、幅広い世代を魅了し続ける「ガンプラ」。2023年3月末時点のガンプラの累計出荷数は7億6000万個を超え、世界的なロングセラー商品となっているが、そんな同商品の魅力を発信し続けているのが、自由な発想で“ガンプラ創作”を楽しむモデラーたちだ。

本稿では、アニメ風塗装のガンプラを製作し、SNSに投稿しているモデラー・けむしファクトリーさん(@plafactory_k)にインタビューを実施。製作にいたる経緯や、製作過程でもっとも苦労したポイント、この作品を通じて学んだことなどを振り返ってもらった。

■描き入れる影には説得力を持たせることが重要

――こちらの作品を製作する際、どのようなアイデアやインスピレーションがありましたか?

【けむしファクトリー】僕自身は「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」「機動戦士ガンダム00」世代でして、その影響もあり、特にこの2作品に登場するモビルスーツ(MS)に好みの機体が多いんです。今回製作したガンダム・エアリアルは、「ガンダム00」に登場するガンダムエクシアやダブルオーガンダムと雰囲気が似ていて、惹かれるものがありました。

ガンダム・エアリアルは曲線が比較的多めの部類に入るガンダムタイプで、その曲線にどう影を落とし込むか? どうレフを当てるか? そういった点を意識しながら、トライ&エラーをくり返す形で製作に入りました。毎回、アイデアやインスピレーションがあって製作に取り掛かる……というより、好きな機体を見つけたり、Instagramのフォロワーさんからリクエストをいただいたら、無策でも飛び込む形で製作に入ることが多いですね。

――製作過程でもっとも難しかった部分を教えてください。

【けむしファクトリー】太腿部分の影をどう入れるか悩みました。脛や腕などの細かいパーツなら面積は狭く、影と光のメリハリをつけやすいのですが、太腿は曲面の面積が広いので、普通に影入れをしただけではのっぺりとしてしまって……。影の基軸にしやすいディテールも入っていないため(線ディテールやパーツの縁を基軸に、影の境界や位置を考えることが多いのです)、それなりに壁を感じました。

こういうときはフラッシュライトでガンプラを360度、グルッと何回も照らし出すことで影の動きを見て。頭のなかにモデルを落とし込み、アイデアとヒントをもらうようにしています。そうして筆を動かし、頭の中のイメージ通りに影を入れていくと、何だかんだでけっこういい感じに仕上がることが多いんですよ。エアリアルの場合はディテールなどに沿わせず、何もない面に影を描き入れて、レフの当て方で説得力を引き出すように頑張りました。

――今回のモデリングにおいて、もっとも楽しかった部分は何でしたか?

【けむしファクトリー】エアリアルは曲面もそうですが、上半身部分がかなり多面的な構造をしており、その分けられたパネル一枚一枚に影を細かく描き込んでいくのが楽しかったです。それと、これはどのモデルにおいてもそうなのですが、影を入れた後、アウトラインを引いていく作業は楽しくて好きですね。自分が手を加えることで見た目が少しずつ変化していくさまは、何回経験してもワクワクします。

――この作品のなかで特に気に入っているポイントはどこですか?

【けむしファクトリー】これもやはり、影を入れた部分になりますね。本来HGは、他のグレードと比べるとシンプルではあるものの、それでもかっこよく、手軽に組み立てられるところが魅力の商品になります。そんなHGでも塗りにこだわれば、RGやMGと見間違うほどの情報量を詰め込めるので、そこにやりがいを感じています。

――貴重なお話、ありがとうございます。最後の質問になりますが、この作品を通してモデリングにおける新しい発見や学びはありましたか?

【けむしファクトリー】曲面に対する影のアプローチの引き出しを手に入れられたのは大きいなと思います。自分で影を描き入れてしまえば、本来ならディテールがないところにもそれがあるように見せられる……といいますか。そうした説得力の持たせ方やレフの重要性を改めて学ぶことができました。ただ影をベタ塗りするだけだとおもしろくないし、レフの当て方にこだわれば、何百通りもの“見せ方”も再現できる。そういったところもおもしろくて、これ以降の製作では“影の入れ方”に重点を置いて塗装を行うようにしています。

取材・文=ソムタム田井