【今見るべき新作映画】フランス人監督の幻の傑作が日本で劇場初公開

AI要約

フランス人監督クレール・ドゥニの幻の傑作が日本で劇場初公開される。主人公のガルーはマルセイユで回想録を書きながら、アフリカのジブチで外人部隊の上級曹長を務める日々を振り返る。

ドゥニ作品の常連キャストが美しさと緊張感を演じ、アフリカの風景や外人部隊の日常を見事に捉える。

緊迫したラストシーンでは4Kで蘇る独特の美しさとガルーの葛藤を描き、観客を引き込む。

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『ムーン・ライト』のバリー・ジェンキンスや『aftersun/アフターサン』のシャーロット・ウェルズら実力派の映画監督たちに多大なる影響を与えた、フランス人監督クレール・ドゥニの幻の傑作がついに日本で劇場初公開される。

 主人公のガルーは、マルセイユの自宅で回想録を書いている。記憶は、目の覚めるようなブルーの海と空、そして乾いた大地が広がるアフリカのジブチへと飛んでゆく。その地で外人部隊の上級曹長を務めるガルーは、上官フォレスティエに憧れを抱きながら、彼の部隊を番犬のごとく守っていた。その平穏な日々は、美しい人気者サンタンの入隊によって狂い始める。

 ガルーを演じるのは、『ボーイ・ミーツ・ガール』以来、フランスの鬼才レオス・カラックスの分身を演じてきた伝説ドゥニ・ラヴァン。美しく、仲間から慕われるサンタンに、『ネネットとボニ』等、ドゥニ作品の常連グレゴワール・コラン、上官フォレスティエに『小さな兵隊』のミシェル・シュポール。

 アフリカで幼少期を過ごしたクレール・ドゥニは、褐色の肌を輝かせカラフルな衣装で踊る地元の人々の姿と、外人部隊の行進、訓練、修復工事に終始する彼らの“美しい仕事”を対比させながら捉え続ける。そしてモノトーンの軍服から覗く肉体美を観察し、羨望や嫉妬、欲望に歪むガルーの表情をすくい取る。

 ガルーの緊張を見守ったラストでは、彼の爆発的エネルギーを浴びながら、4Kで蘇った“美しい仕事“との邂逅を歓ばずにはいられない。

『美しき仕事4Kレストア版』

5月31日(金)より、Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下他全国順次ロードショー

BY REIKO KUBO