河合優実主演「ナミビアの砂漠」カンヌで国際映画批評家連盟賞、山中瑶子監督は女性最年少受賞

AI要約

カンヌ映画祭で開催された授賞式で、「ナミビアの砂漠」が国際映画批評家連盟賞を受賞し、山中瑶子監督が最年少女性監督として栄誉を受けた。

主演の河合優実、金子大地、寛一郎がそれぞれ受賞に喜びのコメントを寄せた。

映画「ナミビアの砂漠」は、山中監督の長編第1作であり、主演の河合は山中監督の過去作品を見て女優になりたいと思い、実現に感謝している。

河合優実主演「ナミビアの砂漠」カンヌで国際映画批評家連盟賞、山中瑶子監督は女性最年少受賞

 世界3大映画祭の1つ、カンヌ映画祭(フランス)の授賞式が25日(日本時間26日)に行われた。同映画祭に併設して開催された、フランス監督協会主催の独立部門・監督週間に出品された、河合優実(23)の主演映画「ナミビアの砂漠」(今夏公開)が、国際映画批評家連盟賞を受賞した。山中瑶子監督(27)は、女性監督として最年少で受賞した。

 山中監督は、授賞式に登壇し「パリに旅行に行っていたのですが、こんなにすぐにまた再びカンヌに戻って来られるとは、うれしいです。そしてとてもびっくりしています。このような賞をいただきありがとうございます。監督週間、そして私の映画のスタッフ、キャストの皆さんに感謝を伝えたいです」となどとスピーチした。

 出演し、カンヌ映画祭にも参加した河合、金子大地(27)寛一郎(27)がコメントを発表した。

 河合優実 本当に本当におめでとうございます! これまで国際批評家連盟賞に名を連ねてきた素晴らしい作品たちに『ナミビアの砂漠』が並ぶこと、言葉にし難いうれしさです! この映画を発見してくれたカンヌ国際映画祭と、このたび賞を授けてくださった審査員の方々、そして改めて、この作品に力を貸してくれた全ての人にいま最大限の感謝をしたいです。これを最高のプレゼントとして、これから私たちの映画が世界中に自由に羽ばたいていきますように!

 金子大地 山中監督、そしてこの映画に関わった全ての方々、受賞、おめでとうございます! 本当にうれしいです。先日のカンヌ映画祭登壇の興奮がいまだにさめない中、こんなうれしい報告を聞くことができて幸せです。このチームで作品を作れた喜びを改めてかみしめています。日本での公開、どうぞ楽しみにしていてください。多くの方に今作が届くことを願っています。

 寛一郎 受賞おめでとうございます! カンヌに行けるだけではなく、賞までいただけるとは…。すごくいいチームで作れた作品だと映画祭を通して再認識しました。そんなチームで作った作品が、こうやって顕著に結果として現れてくれたこと、とても名誉なことだと思います。山中監督おめでとうございます。

 山中監督は、現地で囲み取材に応じ「日本の監督でも私の尊敬する方たちがいただいてきた賞なのですごくびっくりしています。受賞が決まった時に、グループLINEで「批評家(連盟賞)だ!」とキャストたちに送ったのですが、本当にみんなでたたえ合いたいと思っています」と喜んだ。

 「ナミビアの砂漠」は、19歳で撮影した初監督作「あみこ」(17年)が、ぴあフィルムフェスティバルで観客賞を受賞し、ベルリン国際映画祭(ドイツ)フォーラム部門に史上最年少で招待された、山中監督の最新作で、本格的な長編第1作。主演の河合は「あみこ」公開当時は学生だったが、見て衝撃を受けた1人で「『あみこ』を観て女優になりたい」と思い、山中監督に「いつか出演したいです」と直接、伝えに行き「ナミビアの砂漠」で、ついに念願がかなった。劇中では、無為に生活を送る、現代に生きる主人公カナが持つ爆発寸前のエネルギーをみずみずしく、そして魅力的に演じている。

 国際映画批評家連盟賞は、FIPRESCI(国際映画批評家連盟)によって選ばれ、1946年(昭21)から授与されている・過去にはヴィム・ヴェンダース監督の「さすらい」(76年)、「パリ、テキサス」(86年)、スティーブン・ソダーバーグ監督の「セックスと嘘とビデオテープ」(89年)、ケン・ローチ監督の「リフ・ラフ」(91年、「大地と自由」(95年)、アキ・カウリスマキ監督の「ル・アーヴルの靴みがき」(11年)などが受賞。日本映画では、小栗康平監督の「死の棘」(90年)、諏訪敦彦監督の「M/OTHER」(99年)、青山真治監督の「EUREKA ユリイカ」(00年)、黒沢清監督の「回路」(01年)、濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」(21年)に続き、5作品目の受賞となった。