追悼・桂由美(94)、最後のパートナーは36歳下「M&Aの帝王」だった

AI要約

婚礼衣装デザイナーの桂由美氏が94歳で亡くなった。彼女は「ユミカツラ」ブランドの継続を望んでいた。

桂氏は日本のウェディングドレス界の先駆者であり、ブライダルの言葉を定着させた。彼女は生涯現役で活動し、亡くなる直前までショーを開催していた。

桂氏は晩年に足腰が弱っていたが、人前では自分の足で歩く姿を見せ続け、熱心な姿勢を貫いていた。

追悼・桂由美(94)、最後のパートナーは36歳下「M&Aの帝王」だった

「私が亡くなった後も、『ユミカツラ』のブランドを続けて欲しい」

 晩年、周囲にそう繰り返していた婚礼衣装デザイナー、桂由美氏(本名・結城由美)。4月26日に、94歳で死去した。

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 東京生まれの桂氏は、洋裁学校を営む母のもとから30代で独立。

「日本のウエディングドレス界の先駆者で、『ブライダル』の言葉を定着させた」(ファッション業界関係者)

 生涯現役で、今年3月にもショーを開催。亡くなる4日前に『徹子の部屋』(テレビ朝日系)の収録に臨んだ。

「最近は足腰が弱って、普段は車いすで移動していた。でも人前では、自分の足で歩く姿を見せていました」(桂氏を知る人)

 死去の前日も晴れ舞台にいた。大阪で開かれた専門学校のグループ入学式でスピーチしていたのだ。同席した音楽評論家の湯川れい子氏が話す。

「桂先生は、演台まで私の手を取って歩きました。新入生にとても爽やかな笑顔で語り掛けて……。翌日、まだ手のぬくもりが残っている中で訃報をお聞きし、本当に驚きました」

 自身は晩婚だった。42歳で、11歳年上の元大蔵官僚の結城義人氏とゴールイン。「36回のお見合いをした」と自虐する夫とは、おしどり夫婦。トレードマークのターバン姿も、夫の勧めがきっかけだ。

 1975年に東京・乃木坂に、自身の会社が入る7階建ての西洋風ビルを新築。『職住一緒』と言い、6、7階に住んだ。現在でも土地・建物で10億円ほどの価値があるとされる。

 90年に夫に先立たれてからは、子もおらず独り身に。一方、自身の亡き後を見通した終活を行っていた形跡も。

「自分の会社『ユミカツラインターナショナル』の経営を、第三者に委託し始めていた。事実上、別の企業グループの中に入ったとされます」(経済部記者)

 その企業とは、神戸市に本社を置く自動車流通「ジーライオン」グループだ。

 同社は創業者・田畑利彦代表(58)が率い、高級車ディーラーを核に近年事業を拡大して年商2000億円を突破。有田焼の「深川製磁」や菓子店「御菓子城加賀藩」など老舗企業の買収を繰り返し、「M&Aの帝王」(同前)と呼ばれる存在だ。