伏線回収で最後すっきり! イ・ジョンウンの演技で最後まで見せきるスリラー「誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる」

AI要約

映画やドラマ作品において、信頼する俳優への期待値が視聴動機につながることは珍しくない。イ・ジョンウンが活躍するNetflixオリジナルドラマ「誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる」は、忍耐が報われる作品である。

作品は二つの時代のストーリーが並走して展開し、連続殺人事件と異常な経緯の貸別荘が中心となる。イ・ジョンウンが演じるユン・ボミンは2つの事件をつなぐ重要な人物である。

視聴者はイ・ジョンウンの演技と共に、事件の真相や登場人物たちの運命に引き込まれる。物語の謎や緊張感が視聴者を惹きつけ続ける。

伏線回収で最後すっきり! イ・ジョンウンの演技で最後まで見せきるスリラー「誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる」

映画やドラマ作品において、信頼する俳優への期待値が、視聴動機につながることは珍しくないだろう。映画の場合はそれをきっかけに客を呼び込んでしまいさえすれば、2時間なりの作品を見せきることはそう難しくはない。

ところがドラマとなるとそうはいかない。2話、3話、4話が過ぎても、なかなか乗れない……。もう見るのをやめようかな……。でもあの俳優(が演じるキャラクター)が活躍しないはずはないからもう少し頑張ろう。そんな忍耐が報われた作品が、Netflixオリジナルドラマ「誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる」だった。

筆者が信頼した俳優はイ・ジョンウン。ポン・ジュノ監督の「パラサイト 半地下の家族」で演じた家政婦役で、一躍その存在を知られるようになったベテラン女優だ。

本作は、二つの時代のストーリーが並走して進んでいく。

2001年、夏。風光明媚(めいび)な湖畔のモーテルで殺人事件が発生した。逮捕された犯人は8人の女性を殺害した連続殺人鬼のチ・ヒャンチョル。事件はセンセーショナルに報じられ、現場となったモーテルは「殺人モーテル」という風評被害や誹謗(ひぼう)中傷を受け、経営者一家は悲劇に見舞われ追い詰められていく。

21年、夏。中年男性のチョン・ヨンハ(キム・ユンソク)が経営する、森の奥にたたずむ瀟洒(しょうしゃ)な貸別荘に、若く美しいユ・ソンア(コ・ミンシ)と幼い少年シヒョンが宿泊する。本来はヨンハが懇意にしている近所の民宿に泊まるはずだったが、エアコンが故障したため、ヨンハの貸別荘が紹介されたのだ。

翌朝旅立ったソンアは、血の痕跡を残していたが、ヨンハはそれに目をつぶり、何事もなかったかのように日常を送っていた。そして翌年の夏、ソンアが貸別荘に舞い戻ってくる。ヨンハの穏やかだった日常は、日に日にソンアの狂気に侵食されていく。

2つの事件をつなぐ人物が、イ・ジョンウンが演じるユン・ボミンである。01年、ユン・ボミン(ハ・ユンギョン)はモーテルが建つ地域を管轄とする交番に新人巡査として赴任する。そこで次々と手柄を立てた彼女は、「鬼」というあだ名を付けられ、本部の強力班に引き抜かれる。そして21年に、貸別荘を管轄とする交番に所長としてやってくる。左遷ではなく志願して。