「エミリー、パリへ行く」は幻想!? 世界中が憧れる「パリジェンヌ」の実態とは?

AI要約

パリジェンヌの魅力とイメージについて解説されている。フランスの女性たちが持つエレガンスとカジュアルさが絶妙に合わさったスタイルやライフスタイルが世界で注目されている。

バルザックやゾラの文学作品から始まり、ファッション、書籍、写真、映画を通じて長年憧れの存在となったパリジェンヌ。そのイメージは50年以上前からアメリカでも定着し、魅力的でミステリアスな存在として語られる。

モナーシュ大学教授によると、パリジェンヌの定義は難しく、逆説的な要素を含む。一方で、エレガンス、魅力、洗練といったポジティブなイメージと、浪費家、セクシー、危険な存在といったネガティブなイメージを同時に持つ存在である。

「エミリー、パリへ行く」は幻想!? 世界中が憧れる「パリジェンヌ」の実態とは?

オリンピックの熱狂に続き、「エミリー、パリへ行く」シーズン4の配信が始まり、いま注目を集めるパリ。おしゃれ、洗練されている、チャーミング、ミステリアス、セクシー、時には危険な香りも漂わせ......パリジェンヌにはそんなイメージがある。なぜパリジェンヌはかくも魅力的な存在なのだろう。

「ニューヨーク・タイムズ」紙は昨秋、フレンチガールのジャンヌ・ダマスが手がけるブランド、「Rouje(ルージュ)」のソーホー店オープニングを報じるとともに、彼女のスタイルを「いわば典型的パリジェンヌスタイル」と評した。具体的にはキャメル色のトレンチコートに無造作な前髪、完璧な口紅だ。パリジェンヌスタイルの代表格としてすぐに思い浮かぶのはシャルロット・ゲンズブールやカロリーヌ・ド・メグレ。彼女たちの先輩にはカトリーヌ・ドヌーヴもいる。彼女たちの自由で不遜な精神は、エレガンスとカジュアルさが絶妙に入り混じるワードローブやライフスタイルに表れている。

パリジェンヌのイメージが作られたのは昨今ではない。19世紀末にはバルザックやゾラの作品等の文学に早くも登場している。その後、パリジェンヌはファッション、書籍、写真、映画を通じて全世界で憧れの存在となった。米国でもこの50年間でパリジェンヌのイメージが定着した。イザベル・アジャーニやカトリーヌ・ドヌーヴのアカデミー賞ノミネートを契機に、アメリカでパリジェンヌのイメージが増幅しながら形成されていく。「小粋で洗練されていて魅力的、そしてミステリアスな存在。パリジェンヌが持つ"何か"がその定義を難しくします。逆説に満ちた存在です。ある時はエレガンス、魅力、洗練といった言葉と結びつき、ある時は浪費家、セクシー、危険な存在といった言葉と結びつくのです」と解説するのはモナーシュ大学教授で『La Parisienne in cinema - between art and life(原題訳:映画の中のパリジェンヌ)』の著者であるフェリシティ・チャップリンだ。