Xbox『鉄騎』が発売された日。ゲームジャンルが“操縦”という前例のない異色の発想で作られた硬派過ぎるロボットシミュレーター【今日は何の日?】

AI要約

2002年に発売されたXbox用ソフト『鉄騎』は、二足歩行ロボットの操縦シミュレーターであり、異色の作品としてゲームファンを魅了した。

『鉄騎』を象徴するのは、88センチもある巨大な専用コントローラーであり、40個以上のボタンが搭載されている。

操作パネルには多彩な機能があり、緊急脱出ボタンなどの取っておきのボタンも存在し、プレイヤーを楽しませる要素が満載だ。

Xbox『鉄騎』が発売された日。ゲームジャンルが“操縦”という前例のない異色の発想で作られた硬派過ぎるロボットシミュレーター【今日は何の日?】

※本記事は、2023年9月12日にアップした記事を再編集したものです。

驚きの超特大専用コントローラー

 いまから22年前の2002年(平成14年)9月12日は、Xbox用ソフト『鉄騎』が発売された日。

 『鉄騎』は、カプコンから発売された二足歩行ロボット(Vertical Tank)操縦シミュレーター。ロボットのリアルな操縦をとことんまで追求して、当時のゲームファンを唸らせたゲーム史上でも類のない異色の作品に仕上がっている。2080年代を舞台にしたひたすら硬派な世界観もシビレるところで、プレイヤーはVTを巧みに操り与えられた任務をこなしていくことになる。

 本作を象徴するのは、やはり接続すると横幅が88センチにも及ぶ巨大な専用コントローラーだろう。『鉄騎』を知らない人には信じられないかもしれないが、操作パネルには40個以上ものボタンが並んでいて、それらすべてにしっかりと機能が割り振られている。

 ハッチの開閉ボタンやエンジンの始動ボタンなど、1回のプレイで1回しか押さない&1回も押さないボタンは多々あるのだが、そういったものも含めてすべてマニュアル操作を行っていくのが、メカ好きにはたまらなくワクワクするのだ。最初に起動するまでも複雑な手順を踏むので、筆者などはロボットを歩かせるだけでもひと苦労した記憶がある。

 誘導ミサイルに対抗するためのチャフ発射、暗がりで戦うための暗視装置、銃弾補充のためのマガジンチェンジ、メイン兵装とサブ兵装の切り替えなど、戦闘用の機能も盛りだくさんだが、メインカメラに付着した汚れを落とす洗浄用のウォッシャーボタン、火災時に使う消化ボタンといった、ほかのロボットもの作品で見たことのないような機能が満載な点もおもしろい。また、手で操作するコントローラーとは別にフットペダルもあり、こちらでは足を使ってアクセルとブレーキ、緊急回避の操作を行っていく。

 とまあ、コントローラーにはいろいろな機能があるのはわかってもらえたと思うが、あとひとつ忘れてはいけない取っておきのボタンが存在する。その名も“緊急脱出ボタン”だ。専用のカバーでうっかり押すことのないように守られたこのボタンは、当然ながら機体が大破して脱出する際に使用する。

 しかも、脱出が遅れてパイロットがやられてしまうと戦死扱いでセーブデータが消去されるという凝りようだから恐れ入る。ただし、脱出後は新たな機体を購入しなくてはならなくなるので、やたらと脱出するわけにもいかないのがシビアなところ。……とは言え、何ともないのにとりあえず緊急脱出を試して機体を無駄にしてしまった人も多かっただろう。

 本作はスタンドアローンのひとり用のゲームだったが、多くのプレイヤーたちは操作が熟達していくに従って腕前を披露する場を求め始めた。そんなファンたちの要望に応えるように、2004年2月26日には何とオンライン対戦に対応した『鉄騎大戦』が発売された。

 2012年6月21日には、フロム・ソフトウェアが開発を手掛けた続編Xbox 360用『重鉄騎』が発売。この作品では巨大な専用コントローラーを使用しない代わりに“Kinect”でコックピット内の各種機能を操っていくのがユニークだった。