Netflix人気作『家いっぱいの愛』二組の男女が鉢合わせした「モーテル」はどんな宿泊施設?ビジネスや家族旅行でも利用【韓流談義fromソウル】

AI要約

Netflix配信人気作『家いっぱいの愛』では、シングルマザーと父親の再会を通じて始まる物語が描かれる。

第6話では、二組の男女が泥酔し、モーテルでの出来事が物語の展開に影響する。

韓国のモーテルは日本のラブホとは異なり、ビジネスホテルやシティホテルに近い設備や価格設定を持つことが多い。

Netflix人気作『家いっぱいの愛』二組の男女が鉢合わせした「モーテル」はどんな宿泊施設?ビジネスや家族旅行でも利用【韓流談義fromソウル】

 Netflix配信人気作『家いっぱいの愛』は、ソウルのビラ(低層マンション)に住むシングルマザー、クム・エヨン(キム・ジス)とその長女ピョン・ミレ(ソン・ナウン)、長男ピョン・ヒョンジェ(ユンサナ/ASTRO)の前に、11年ぶりに父ピョン・ムジン(チ・ジニ)が姿を現したところから物語が始まる。ムジンは過去に経済的な問題で家族を苦しめたが、驚くことに三人が住むビラの新たな大家になっていた。(以下、一部ネタバレを含みます)

 今回は第6話の終盤、二組の男女の片割れがそれぞれ泥酔したため、やむなく入った宿泊施設の廊下で鉢合わせした場面にフォーカスしてみよう。

 鉢合わせした二組のうち、若いほうの女性の心の声はその宿泊施設を「モーテル」と言っていた。施設名は「○○ホテル」だ。しかし、日本語字幕は「ラブホ」となっている。物語の状況においては、モーテルをラブホと訳すのはまちがってはいない。展開を素早く理解したい視聴者には親切な訳とも言える。

 しかし、我が国ではモーテル=ラブホかと言うと、そうではない。日本ではモーテルはあまり使われない言葉だと聞いた。50代以上ならモーテル=ラブホと認識する人が多いらしい。

 筆者は日本のマスコミ関係者が取材で韓国に滞在する際、コーディネーターとして宿泊の手配をすることも多い。仕事なので滞在費が潤沢な場合もあれば、そうでない場合もある。滞在期間が長く宿泊費を節約しなければならないときにすすめるのがモーテルである。

 そもそも、ソウルや釜山のような大都市ならリゾートホテル、シティホテル、モーテル、ゲストハウスなど選択肢は多いが、地方の中小都市ではモーテルしかない場合もある。

 モーテルと聞くとラブホを連想する日本人に対して、筆者は次のように説明する。

「韓国のモーテルはパッと見、日本のラブホに似ているものも少なくありません。もちろんカップルが利用することもありますが、地方出張の会社員も利用しますし、旅行に来た家族連れも利用します。部屋も広く、築年数が浅ければ施設はきれいです。備品やアメニティがシティホテル以上に充実しているところも珍しくありません。なによりシティホテルより2~3割安いです」

 つまり、韓国のモーテルはラブホ寄りのところもあれば、ビジネスホテル、シティホテル寄りのところもあるのだ。ナイトクラブやルームサロン(高級キャバクラ)などが集まるエリアならラブホ寄りのモーテルが多いし、地方のバスターミナルの周辺エリアならビジネス、シティホテル寄りのモーテルが多いと言ってもいいだろう。