COWCOW、デビュー31周年は「新たなスタート」 『ゴット・タレント』も意識「アジアから世界へ進出できれば」

AI要約

お笑いコンビ・COWCOWの多田健二、善しが、全国ツアーCOWCOW 31st LIVEを10月6日から開催することになった。愛知公演を皮切りに、福岡、東京、大阪と全国4都市を巡る。新ネタやこれまでに磨き上げてきたネタを披露し、漫才を主軸にしながらもコントやリズムネタも取り入れる予定だ。

2人は31周年を新たなスタートと位置付け、年齢にふさわしいネタを取り入れる意向であり、愛知で公演する理由も説明している。また、世界で評価される日本のお笑いタレントたちを意識し、海外進出も視野に入れている。

COWCOWは20年以上にわたり地道に努力を重ね、多田が善し右肩の上に左ひじを乗せる「COWCOWポーズ」もおなじみになった。ストイックさが同業者の間でも話題になり、世界進出への意欲も高い。

COWCOW、デビュー31周年は「新たなスタート」 『ゴット・タレント』も意識「アジアから世界へ進出できれば」

 お笑いコンビ・COWCOWの多田健二、善しが、「全国ツアーCOWCOW 31st LIVE」を10月6日から開催することになった。同日の愛知公演を皮切りに、福岡、東京、大阪と全国4都市を巡る。現在は準備期間でネタ作り、仕上げに取り組んでいる。同業者からも「笑いにストイック」と一目を置かれる2人に仕事へ向き合い方、ライブにこだわる理由などを聞いた。(取材・文=幸田彩華)

「全国ツアーCOWCOW 31st LIVE」では、新ネタやこれまでに磨き上げてきたネタが披露される予定だ。また、ツアーのビジュアルには「31」と「サイ」をかけたものが採用され、大阪の動物園を貸し切り、サイと一緒に撮影が行われた。この撮影は、元芸人であるカメラマンが動物園のサイ担当者と知り合いだったことから、スムーズに行われたという。

 2人は「31周年」を新たなスタートと位置付けている。今回のツアーでも、漫才を主軸にしながらも、コントやリズムネタも取り入れるなど多彩なネタを用意している。

多田「前回の30周年ライブは、全編漫才を中心に、少し『あたりまえ体操』などのネタも加えた構成でした。今回も漫才を主軸にしつつ、制作中にコントもでき上がったので、それも披露しようと思っています。また、新しいリズムネタにも挑戦する機会をいただきましたので、それもお見せしたいと考えています。30周年が一区切りだとすれば、31周年は新たなスタートという意味を込めています」

善し「僕らも今年で50歳になるので、年齢にふさわしいネタを取り入れたいと考えています。ライブでしかできない特別な題材もありますし、例えば『いつか死ぬかもしれない漫才』なんて、M-1を目指す若手は作らないようなテーマも考えていますね。この年になると、健康にも気を遣わなければなりませんし、そういったことも意識しています」

 ツアーのスタートに愛知を選んでいることにも理由があった。

多田「これはいつもことですが、愛知に吉本の常設劇場がないからです。僕らがそこで公演する機会も少ないので、『愛知に来てくれた』という喜びが感じられます。客席の後ろから登場すると、本当にスター気分を味わえます。福岡も常設劇場があるにもかかわらず、いつも大いに盛り上がります。東京はホームという感じです。いつも盛り上がりつつ、見慣れられている感じがありますね(笑)。大阪は僕らの地元なので、歓迎はされますが、スター扱いはされません。前回ツアーでは東京のルミネが即日完売し、なんばグランド花月も完売。30年のキャリアで初めてでしたが、31周年はどうなるか。踏ん張りどころです」

 COWCOWは11年から披露し始めた「あたりまえ体操」で全国区の人気コンビになった。漫才などの終わりに多田が善し右肩の上に左ひじを乗せ、右手を腰に付けながら2人そろってゆっくりお辞儀する。この「COWCOWポーズ」もおなじみになった。それに甘えることなく、新ネタを作り続けている。そんな2人のストイックさは同業者の間でも話題になり、同期の小籔千豊には「あいつらほど努力してきたコンビは見たことない」と言わしめている。

多田「真面目に地道に頑張ってきました。25周年の時に、なんばグランド花月で単独ライブをやらせていただいたことは1つの転機になりました。それまではライブの2か月前にネタ作りを始めていたのですが、それでは間に合わないことが分かり、1年かけてネタを作り、試してから本番に臨むスタイルに変更しました。これにより、余裕を持ってネタを披露できるようになり、この改善は非常に良かったと感じています」

善し「ネタの中には、オファーを受けてから作るものも多いです。『あたりまえ体操』もそうですし、ゼロから作ることでは思いつかないネタが、番組のオファーで生まれることが多いですね。周りの人から何かを言われることも(ネタ作りの)きっかけになります。多田が『インドネシアのジョコ・ウィドド大統領に似ている』と言われたのも、取材の際でした。写真を見ると確かに似ていて、その次にインドネシアに行った時に多田がチェックのシャツを着て街を歩いて『私はジョコ・ウィドドです』と言ったら、人々がリアクションをしてくれました。トーク番組でも大ウケ。この30年間で一番ウケた瞬間で、“笑いの風”が吹いてきた感じでしたね」

 昨今、日本のお笑いタレントが世界で評価され始めている。昨年6月、とにかく明るい安村が英国のオーディション番組『ブリテンズ・ゴット・タレント(BGT)』への出場し、決勝進出。お笑いコンビ・チョコレートプラネット今年7月、米国のオーディション番組『アメリカズ・ゴット・タレント』に出演して「TT兄弟」を披露し、観客を爆笑させた。COWCOWの2人も当然、世界を意識している。

善し「『ブリテンズ・ゴット・タレント』はもちろん、見ています。自分たちが出るならどうするかも考えています」

多田「コロナ期間中に『VTRオーディションに出ませんか』という話もありましたが、まだ具体的には動いていません。ですが、機会があれば挑戦してみたいと思います。来月も韓国、年末には中国で公演がありますので、そこでいろんなネタを披露しながら、アジアから世界へ進出できればと思っています」