余貴美子、『虎に翼』でも“妙演”に期待 『新宿野戦病院』『半分、青い。』での存在感

AI要約

朝ドラ『虎に翼』の出演俳優余貴美子が『新宿野戦病院』から『虎に翼』の世界に登場することが話題になっている。

新潟から東京へと物語の舞台が移り、余貴美子演じる星百合が登場し、航一の継母として物語に関わることになる。

余貴美子は過去にも朝ドラに出演しており、個性豊かなキャラクターを演じることで注目を集めている。

余貴美子、『虎に翼』でも“妙演”に期待 『新宿野戦病院』『半分、青い。』での存在感

 放送中の朝ドラ『虎に翼』(NHK総合)の出演俳優陣がほかの作品で見せる姿が何かと話題だが、その逆もある。『新宿野戦病院』(フジテレビ系)での怪演が大注目の余貴美子が、『虎に翼』の世界にやってくるのだ。いま現在、ユニークな面々とにぎやかな水曜日の夜を作り上げている彼女は、朝のお茶の間に何をもたらしてくれるのだろうか。

 『虎に翼』は第20週「稼ぎ男に繰り女?」より、物語の舞台が新潟から再び東京へ。ヒロイン・寅子(伊藤沙莉)は星航一(岡田将生)との関係に大きな進展があり、娘の優未(毎田暖乃)との関係も良好。晴れ晴れとした状態で「東京編」が再スタートすることとなった。

 そこへ新たに登場するのが、余が演じる星百合。航一の継母である。番組公式サイトに記されている情報によると、初代最高裁長官・星朋彦(平田満)の再婚相手で、夫の亡きあとも星家を守っている人物らしい。穏やかな性格の持ち主で、航一の子どもたちを可愛がっているのだという。

 まだ登場していないため、具体的にどのような人物なのかまでは分からない。だが予告に一瞬だけ映った姿から察するに、たしかに穏やかな気立ての良い人のようだ。そもそもあの温厚な朋彦の妻にしてマイペースな航一の母なのだから、本当に好人物なのだろう。

 実際、演じる余は公式のコメントで、「ずっと楽しく観ていた『虎に翼』の現場に参加できる事、大変嬉しく思います。『半分、青い。』以来の久しぶりの“朝ドラ”です。私のお役は明治・大正・昭和を生きた女性です。当時の家族、夫婦の在り方を考えたり想像するのは楽しい作業です。吉田恵里香さんの脚本を大事に丁寧に、挑んでいきたいと思います」と述べている(※)。これは間違いない。好人物だ。

 それでも「何かあるのでは?」と勘繰ってしまうのは、やはり『新宿野戦病院』でエキセントリックな“妙演”を展開しているから。同作で演じているのはリツコ・ニシ・フリーマン。主人公のひとりである元アメリカ軍医のヨウコ・ニシ・フリーマン(小池栄子)の母親だ。しかもジャズシンガーという役どころ。彼女に関するこれ以上の詳述は控えるが、脚本を手がける宮藤官九郎の作品ならではのキャラクターである。

 登場人物の誰もがクセの強い『新宿野戦病院』だが、リツコとはその最たる存在だといえるかもしれない。しかし余は完全にこのキャラクターをものにしているからさすがだ。彼女の演技にはどこにも無理をしているところがない印象で、むしろ余裕が感じられるほど。いや、余裕が無ければこの役どころで会話劇を繰り広げるのは難しいのではないか。リツコというもっともキャラ立ちした存在を体現するのに精一杯では、共演者たちと軽妙なやり取りを展開させるところまでは至らないのではないだろうか。豊富なキャリアがあるからこそ為せる業なのだろう。

 このような存在が、『虎に翼』の世界にやってくるのである。百合がリツコと真逆な人物であることは間違いないが、果たしてヒロインやこの作品の世界観に、どのように関わってくるのだろうか。

 そんな余が朝ドラに姿を見せるのは、これで4度目。前作の『半分、青い。』(2018年度前期/NHK総合)ではヒロイン・楡野鈴愛(永野芽郁)の生まれ故郷である岐阜県・東美濃市の町医者を演じていた。「町の子どもの大半を取り上げた」と豪語する人物で、余の演技も豪快でエネルギッシュなものだったのを、いまだに鮮明に覚えている。などと書いていると、やはり星百合も只者ではないような気がしてくるのは筆者だけだろうか……。ともあれ、水曜日の夜とはまた違う余貴美子の演技を朝から堪能できる。彼女の真逆のパフォーマンスに触れられる、そんな贅沢な時間がはじまるのだ。

参照

※ https://realsound.jp/movie/2024/07/post-1734421.html