『北斗の拳2』に登場した第3の暗殺拳「元斗皇拳」!拳士たちはなぜケンシロウと戦ったのか?

AI要約

 元斗皇拳は闘気を武器として使い、独特な戦闘スタイルを持つ敵として登場。原作には2人だけだったが、アニメではさらに3人が追加された。

 元斗皇拳は天帝に仕える存在だが、ジャコウによって北斗と南斗に反旗を翻し、同士を抹殺しようとする。その裏にはファルコやショウキなどの悲劇があった。

 最初から最後まで哀しい結末を迎えた元斗皇拳の拳士たち。特にタイガはケンシロウとも対面せず、突然の死を遂げた不遇なキャラクターだった。

『北斗の拳2』に登場した第3の暗殺拳「元斗皇拳」!拳士たちはなぜケンシロウと戦ったのか?

 ラオウとの死闘を制し、ユリアとの短くも穏やかな時間を過ごしたケンシロウの新たな敵として登場したのが、元斗皇拳です。最強の拳士「金色のファルコ」を筆頭とする彼らは闘気(オーラ)を武器として駆使し、人間の細胞を破壊し断ち切るという、独特な戦闘スタイルを持っていました。

 原作に登場したのは「金色のファルコ」と「紫光のソリア」だけでしたが、アニメ『北斗の拳2』ではアニメオリジナルの拳士として「青光のボルツ」と「緑光のタイガ」が登場しています。あとひとり、原作ではケンシロウとユリアに安息の地を与えた「ショウキ」というキャラクターがアニメでは「赤光のショウキ」として元斗皇拳の使い手とされていました。当時は原作の連載にアニメの展開が追い付かないようにするため、オリジナル展開を挟むことがよくあったのです。

 しかし元々、元斗皇拳は北斗神拳や南斗聖拳と共に「天帝」と呼ばれる存在に仕える同士のような存在でもありました。しかし作中に登場した元斗皇拳の拳士たちは、北斗と南斗に連なる者を抹殺しようとしていたのです。なぜ彼らはそのような行動に出たのでしょうか。

 その理由は「ジャコウ」を名乗る帝都の総督にありました。ファルコはジャコウにより天帝を人質に取られ、言いなりになるほか無かったのです。ソリアは原作では北斗を滅ぼすため、アニメではマミヤの村を滅ぼすためにケンシロウと戦って死亡しました。ショウキはファルコの手で地下運河から逃がされた直後に原作ではジャコウの息子に、アニメでは青光のボルツに殺害されるという悲劇に見舞われています。

 青光のボルツと緑光のタイガはジャコウ側の拳士として登場しましたが、いずれも最後はみじめなものでした。ボルツはケンシロウに圧倒的な実力差で打ち倒され、タイガはリンを誘拐して修羅の国へ連れ去ったものの、修羅によってあっけなく殺害されました。

 特にタイガは作中でケンシロウとは一度も戦わず、面識すらありませんでした。現在のように時間をかけてアニメを作るようになった時代ではおそらく存在できない、走りながらアニメを作っていた時代ならではの不思議な立ち位置にいたキャラクターと言えるでしょう。

(C)武論尊・原哲夫/コアミックス・東映アニメーション 1987