ベッドシーン自体不要?大ヒット中『地面師たち』の“性描写”に賛否…背景にインティマシー・コーディネーターの存在

AI要約

Netflixシリーズドラマ「地面師たち」は、土地詐欺集団を描いた犯罪サスペンスで、55億円の詐欺事件をモチーフにしている。

豊川悦司や綾野剛らが演じる地面師グループの巧妙な計画と大手デベロッパーとの駆け引きが物語の核となっている。

ドラマは暴力的なシーンが多く、性描写にはリアリティが欠けるとの批判もある。

作品は16歳以上の視聴制限が設けられており、インティマシーコーディネーターの導入により、性描写の配慮が行われている。

ただし、血みどろの殺人シーンと着衣シーンのギャップが不満を引き起こす一方、安心感を視聴者にもたらすとして賞賛も集めている。

最新の映像制作技術や規制により、性的描写や暴力シーンに対する演出のバランスが模索され、作品の表現スタイルが変化している。

視聴者の感想には賛否両論がありつつも、インティマシーコーディネーターの存在により、性的な演出に対する安心感が広まっている。

ベッドシーン自体不要?大ヒット中『地面師たち』の“性描写”に賛否…背景にインティマシー・コーディネーターの存在

 7月25日から世界独占配信されたNetflixシリーズドラマ「地面師たち」が話題を呼んでいる。タイトルの“地面師”とは、土地の所有者になりすまし、虚偽の売却をもちかけ、多額の代金を騙し取る詐欺集団のこと。新庄耕氏の小説が原作となっており、2017年に東京・五反田で実際に起きた被害額約55億円の「積水ハウス地面師詐欺事件」がモチーフとなっている。

 俳優の豊川悦司や綾野剛らが演じる地面師グループが、100億円規模の不動産を巡り、大手デベロッパーとの駆け引きし、緻密な犯行計画を立てるクライムサスペンスだ。

「Netflixの『今日のTV番組TOP10』で初登場で1位を獲得後、連日1位を記録し、『週間グローバルTOP10』(7月22日~28日)では、8位にランクイン。また、都内では同ドラマの街頭広告が打ち出されるなど、人気の高さが表れています。」(芸能記者)

 全7話で構成されている同ドラマは、暴力やグロテスクなシーン、性描写の演出の多さから、16歳以上の年齢制限がかけられている。Netflixドラマだからこそ表現できるリアルな演出が見どころである一方、不満を抱く声も見られる。

《コンプライアンスを守らない悲劇も描いているのに、エロシーンはコンプライアンスを限界守ってるの面白くてダメだった。》

《露悪的なベッドシーンで女優が全員ブラジャーをしているのは不自然すぎる。裸になる必要は全くないが、別の撮り方があるのではないか??ベッドシーン自体が不要に思えた。》

《こんな出来が悪くしか撮れないならエロシーン差し込まなくて良かったんじゃないのと思ってしまった。》

「地面師グループの犯行に関与した人物が、何者かによって殺されるシーンが多く出てきます。飛び降りや車での轢き殺し、原型をとどめないほどに顔を踏み潰され殺されるシーンなどは、出血量から飛び散り方まで、どれもリアリティーがありグロテスクです。

 その一方で、確かに性描写にはリアルさに欠ける表現が多いですね。綾野剛さんと女性住職とのベッドシーンでは、女性が下着を身につけたままで、さらにレース状のワンピースを着たまま性行為をおこなう描写があります。さらに、俳優の山本耕史さんの性描写では山本さんがパンツを履いたまま性行為を行うなど、グロテスクな表現がリアルな分、こういった描写に不満を抱く人が多いようです。」(同前)

 やたらと“着衣シーン”が多いのには理由があるようだ。本作には、女優・奈緒の主演映画『先生の白い嘘』でも議論を呼んだインティマシー・コーディネーターが参加しているのだ。

「インティマシー・コーディネータとは、性的な描写を撮影する際にコーディネータとして現場に立ち会い、出演者と制作陣の間に入って、安心して作品づくりに取り組めるようコーディネートする仕事です。ウェブメディアの取材を受けた監督の大根仁氏は『役者のをケアはもちろんのこと、シーンのことも考えてアドバイスをくださるんだなとあらためて感じました』とインティマシーコーディネーターの存在に太鼓判を押しています。

 性的なシーンをどのように撮影するのか、細かな配慮があったのは間違いなさそうです」(芸能記者)

 いっぽうでX上では、インティマシーコーディネーター導入に安心の声も見られる。

《地面師たちは過激な演出多かったけど、インティマシー・コーディネーターがいるって知っていたから不思議と安心して観られたんだよな。》

《気遣いが感じられました。とても良かったです。》

《当然のようにスタッフにはインティマシーコーディネーターがいて、「徹底してるなぁ」と感心した》

「作風からして、“リアルさ”を追求していたのは間違いないでしょうが、性描写については、どこまで演者の心を守るのか、というバランスを取った結果なのでしょう。一昔前の日本の映画界であれば不自然さを感じるのかもしれませんが、むしろ今回は“努力した結果”だと言えそうです」(同前)

 時代は変わるものだ。