『スカイキャッスル』は夏ドラマNo.1の中毒性満載 第1話から気になる謎ばかり

AI要約

高級住宅街「スカイキャッスル」で起きる悲劇の第1話。脳神経外科部長の妻が突然ビルから飛び降りて亡くなる事件が発生。

妻の死に疑問符がつき、息子の学業裏に秘密があることが明らかに。さらに新たな家族が登場し、因縁が絡む展開に。

セレブの世界での壮絶な人間関係や競争が描かれ、怖いもの見たさを掻き立てる物語の幕が切って落とされる。

『スカイキャッスル』は夏ドラマNo.1の中毒性満載 第1話から気になる謎ばかり

 セレブが集う高級住宅街「スカイキャッスル」を舞台に悲劇が起こる『スカイキャッスル』(テレビ朝日系)第1話。

※本稿は第1話のネタバレを含みます。

 「スカイキャッスル」の繁栄とともにあるような帝都病院内で、脳神経外科部長を務め次期病院長と目される冴島哲人(橋本じゅん)の妻・香織(戸田菜穂)。彼女は息子・遥人(大西利空)が超難関校の帝都医大付属高校の逆転合格を手にして幸せの絶頂にいた。そんな「スカイキャッスル」の住民らが羨む“人生の勝利者”となった香織が突然ビルから飛び降りて亡くなってしまう。

 エジプト旅行に行くと話していた日程に香織は、実際には国内にいて薬の処方を受けていた。また、妻の転落死を受けて哲人は病院を辞職までして、自宅も性急に売却に出すなど何かトラブルにでも巻き込まれたのか、それとも何らか不都合なことでも隠そうとしているのか非常に気になる動きを見せる。

 さらに遥人の難関校合格の裏には実は受験コーディネーター・九条彩香(小雪)の協力があったこともわかってくる。どんな手を使ってでも生徒を合格に導いてくれるVIP御用達の特別な存在である九条は年間2人しか担当しない代わりに、合格率は驚異の100パーセントを誇り、年間講師料は3000万円かかる。遥人は彼女に担当してもらっていたようだ。

 そして気になるのは浅見紗英(松下奈緒)がエジプトに行く香織のために貸したタブレットに格納されていた遥人の日記だ。日記によると成績が落ちれば平気で暴力を振るう父親への恨みや、勉強にしか興味がない母親への憎悪が綴られていた。

 確かに遥人はそのタブレットを借りてはいたものの、この日記をわざわざ母親の目につく場所にまで置いたのはなぜだろうか。日記を書いたのが遥人だとしても、それが香織の目に触れるようにしたのは本当に彼自身なのだろうか。エジプト旅行に行く母親を気遣いストールをプレゼントしていた遥人や、母親の墓石前で号泣していた姿を思い返してもなかなか信じがたいものがある。家族写真を前に信じていたものが全て崩れ去ってしまったかのような泣き顔を見せ、追い詰められた香織の憔悴し切った姿を戸田が熱演していたが、よほどのことが彼女を襲ったのだろうと想像が膨らむ。

 この混乱の最中、さらなる新キャラが投入される。一気に没落してしまった旧冴島家に引っ越してきたのが、何かと浅見家と因縁の関係になる南沢家だ。

 息子の南沢青葉(坂元愛登)は学年トップの成績を誇る紗英の娘・瑠璃(新井美羽)の最大のライバルであり、おそらく瑠璃が好意を寄せている相手だ。そして、父親の公平(大谷亮平)は浅見英世(田辺誠一)の出世街道を阻む存在として描かれる。母親・南沢泉(木村文乃)は紗英とどうやら元々面識がありそうだが、それを紗英側は隠し通したいようだ。

 それにしても住まいも夫の職場も子どもの学校も同じという息が詰まるような環境下で、それぞれの家族が夫の昇進と子どもの合格に躍起になる様は、一触即発の空気が常に流れヒヤヒヤするも中毒性がある。憎悪渦巻くセレブの世界×壮絶なマウント合戦×熾烈な出世争い&受験戦争というあらゆる“競争”環境が幾重にも重なる特異な世界での物語に、これから暴かれていくのだろうキャラの濃い登場人物らの本性には、早くも怖いもの見たさのような感覚を覚える。

 そもそも冒頭に差し込まれた田舎道を走り去るパトカーに向かって「お父さん!」と叫ぶ少女は一体誰なのか、その正体も気になるところだ。