井上咲楽「27時間テレビ」100kmマラソンをリタイア…TV局が止められない"美談"へのこだわり プロでも重度熱中症に

AI要約

タレントの井上咲楽(24)がFNS27時間テレビの100キロサバイバルマラソンでリタイアし、猛暑の中でのマラソン企画に批判が相次いでいる。

プロランナーも熱中症リスクを指摘し、過去の五輪やマラソン大会での熱中症事例も取り上げられている。

マラソン美談や根性論を美化する傾向があり、テレビ局のマラソン企画に対する批判が年々増加している。

井上咲楽「27時間テレビ」100kmマラソンをリタイア…TV局が止められない

 タレントの井上咲楽(24)が21日、自身のX(旧ツイッター)を更新。出場したフジテレビ系「FNS27時間テレビ 日本一たのしい学園祭!」の企画「100キロサバイバルマラソン」をリタイアしたことを報告した。

 井上は『27時間テレビ100キロサバイバルマラソンを見てくださったみなさん、ありがとうございました!私は48キロ地点でリタイアとなってしまいました』『ラスト3キロを走るための練習を2ヶ月間重ねてきました。どんなレースになっても後悔はないと言い切れるくらいに準備をしてきましたが、そのスタートラインにさえ立てなかったことが最大の後悔となってしまいました。こんな現実が来るとは想像していなかったので本当に本当に悔しいです』などと心情を吐露したが、猛暑で熱中症患者の搬送が増加するなか、都内を長距離マラソンさせるテレビ局の姿勢に批判が相次いでいる。

 《猛暑の中プロでもないような人達が、マラソンして美談で放送すんの、どうなの?それ面白いと思ってるん?》《フジも日テレも誰かが死ななければ時代錯誤の酷い企画だって気づかないんだろうか。いや、こんなもんに提供するスポンサーも同類かも》《令和になっても根性論ありきのこういうのはどうかと思う》《芸能人に長距離マラソンさせろと要望してる国民いるの?》《走っている芸能人見てハラハラして見ていられなくて結局チャンネル変えた。誰かどうにかなっちゃいそうでこわかった》

 真夏のマラソンでの熱中症リスクについては、プロのランナーでも問題視されている。2021年8月に開催された東京五輪では、マラソンと競歩の会場を札幌に移したが、国際オリンピック委員会(IOC)が、東京の暑さを懸念してのことだ。それにもかかわらず、東京五輪では服部勇馬選手(2時間30分8秒で73位)がゴール後に車いすで搬送。日本陸連が深部体温が40度を超える「重度の熱中症」だったと発表していた。

「日本はまだ根性論が美談として語られる傾向にあります。当時の服部選手のスポーツ紙の記事などでは本人の『絶対に最後まで諦めずに走りたいと思いました』とのコメントを引用し、《執念の完走》と美談として取り上げられました。箱根駅伝もしかり怪我や体調不良を乗り越えて走り切る姿がストーリーとして求められます。フジテレビの『27時間テレビ』も日テレの『24時間テレビ』もマラソンを止められないのは、美談としてのコンテンツとして手放せないからでしょう。まだ昭和・平成の感覚から抜け出せていません」(芸能ライター)

 昨年の「24時間テレビ」では、タレントのヒロミが100キロマラソンを完走して賞賛されたが、猛暑のなか還暦間近の人間を走らせることに批判も少なくなかった。視聴者の反応をみると年々、マラソン企画に《心配で見ていられない》と不快に感じる人が増えている。

 8月31日から9月1日に放送される「24時間テレビ47」のチャリティーマラソンにはお笑いタレントのやす子(25)が決定し、今回はやす子と一緒に数キロ走る、1200人程度の「チャリティー市民ランナー」も募集する。何もなければいいが……。

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「24時間テレビ」といえば、昨年、日本テレビ系列のテレビ局「日本海テレビジョン」の元幹部社員が同番組の寄付金約265万円を含む売上金を着服して大問題に。しかも寄付金は、10年間に渡って少しずつ着服していたから、系列局も含めて心配になるがどうなのか。

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