クセ強キャラが笑えてしみる「新宿野戦病院」 イマドキTV+

AI要約

「新宿野戦病院」は、新宿・歌舞伎町を舞台にした面白いドラマで、宮藤官九郎さんの脚本が光る作品だ。

独特な設定と展開が楽しい小池栄子さん演じる外科医のヨウコ・ニシ・フリーマンが活躍している。

格差社会のテーマも取り入れられた作品で、社会派喜劇としても視聴者を楽しませている。

クセ強キャラが笑えてしみる「新宿野戦病院」 イマドキTV+

笑える。泣ける。学べる。ドラマを好きになる理由は、視聴者の数だけあるだろう。私の場合は、見たことないもの、ぶっ飛んだものを見せてくれると、うれしくなる。

「新宿野戦病院」(フジテレビ系、水曜午後10時)も、いろいろチャレンジしている感じが好感度大。宮藤官九郎さんの脚本で楽しみにしていたが、予想を上回る設定と展開にハマった。

新宿・歌舞伎町にある「聖まごころ病院」が舞台。資金難で「救急で稼がなきゃ」と言っているくせに外科医がいない。所属の医師たちも全くやる気がない。搬送される患者に「あそこだけはやめてくれ」と言われるダメ病院だ。

そこに小池栄子さん演じる米国籍で元軍医のヨウコ・ニシ・フリーマンが「助っ人」として登場する。というか、泥酔して搬送されてきて、うやむやのうちに雇われて…。

脇を固めるキャストもいい役者さんぞろいだけど、クセが強すぎるキャラクターのヨウコが他を圧倒。腕はいいけどガサツ。手術中に「あっ!」とか言って周囲をひやひやさせる。そもそも日本の医師免許を持たない闇医者である。

どう転がってもトラブルを起こしそうな設定に加え、うまいなぁと思ったのは小池さんのせりふ回し。英語と日本語をチャンポンでしゃべる。しかも日本語はカタコトでぼっけー岡山弁。おかげでこんな真面目なせりふも、クサくならない。

「うちの命、おまえの命、貧乏の命、金持ちの命、平等に助ける」

笑わされつつ、じわっと胸にしみてくる。コメディーの王道ですな。

わざわざ歌舞伎町を舞台にしたからには、笑かすだけでは終わらないはず。トー横キッズとかホームレス支援とか元ヤクザとか、早速いろいろ登場しているが、格差社会の生きづらさが通奏低音ってところか。見応えのある社会派喜劇を期待する。

本作は有料のFODプレミアム(月額976円)で、次週分をすぐに見られる先行配信を実施中。なるほどの新商売だ。ええ、見ちゃいましたとも。(ライター 篠原知存)