新原泰佑「客席と瞬間を共有できるのが舞台の魅力」 “当て書き”で挑む初主演舞台にむけて

AI要約

第68回岸田國士戯曲賞を受賞し、注目を集める演劇人池田亮の最新作『球体の球体』について。ガチャガチャをモチーフにした寓話的人間ドラマで、新原泰佑主演で上演される。

新原泰佑は作品について好意的であり、劇場の熱気に期待している。少人数の劇であり、シアタートラムの熱い空気が演劇を盛り上げると考えている。

新原が演じる本島幸司役について、アーティストとしての側面が強調されており、役作りに向けて脚本からのエッセンスを抽出する必要があると考えている。

新原泰佑「客席と瞬間を共有できるのが舞台の魅力」 “当て書き”で挑む初主演舞台にむけて

第68回岸田國士戯曲賞を受賞し、今最もその動向が注目される演劇人のひとり・池田亮。そんな彼の最新作が、新原泰佑を主演に迎えた『球体の球体』だ。池田自身がアート作品として発表したこともある“ガチャガチャ”をモチーフに、「親ガチャ・子ガチャ」、「優生学」、「独裁者」など、さまざまな要素を取り入れた寓話的人間ドラマ。そこで近年話題作への出演が続く新原に、初の池田作品に臨む心境、演じる本島幸司について、また舞台に対する想いなどを訊いた。

――池田亮さんが脚本・演出・美術を手がけられる舞台『球体の球体』。新原さんはシノプシスを読まれた段階とのことですが、その感想から教えてください。

すごく好きな作品です。ガチャガチャをモチーフにしていて、非常に寓話的でもありますし、それでいて現実味も帯びている。そのふたつの世界がずっと並行して描かれていて。また美術プランについても触れられていたのですが、それも僕にはすごく刺さる内容でした。その世界観の作り方というか、たぶん池田さんは劇場に入った瞬間、この『球体の球体』の世界にお客さんを閉じ込めようとしているんだろうなと。今は早く完成した脚本が読みたくて、うずうずしているところです(笑)。

――シアタートラムという小劇場で、新原さん含め4人だけの少人数のお芝居になります。どんな期待が?

シアタートラムは客席が近いのでお客さん全員に熱量を送りやすい空間だと思うんです。今回池田さんは、シアタートラム全体で『球体の球体』を描こうとしていて。だからきっとお客さんは、心が鷲掴みになると思うんですよね。あとお話を聞く限り池田さんって、役者とセッションをしながら、試行錯誤を繰り返しながら進めていかれる演出家さんなんだろうなと。その中で共演の小栗(基裕)さん、前原(瑞樹)さん、相島(一之)さんがどうやって作っていかれるのか。またシノプシスから想像するそれぞれのキャラクター像が、皆さんにぴったりハマり過ぎていて! これから始まる稽古がとても楽しみです。

――それぞれにぴったりのキャラクターとのことですが、新原さん演じる「本島幸司」に関してはいかがですか?

本島は現代アーティストという役どころで、池田さんが僕の人となりを知った上で書いてくれているんだろうな、と感じます。僕もずっとダンスをやっていて、自分でなにかを作るということが大好きな人間なので。でも正直、自分が本島にぴったりだとは思い切れない部分もあります。だから僕がこれから本島になっていかないといけない。そのためにも本島というエッセンスを、どんどん脚本から抽出していかなければ、と思っています。