朝ドラ「虎に翼」、異例の「前作受け」で茨田りつ子まで登場 イマドキTV+

AI要約

前作「ブギウギ」からのキャスト登場に驚きの連続。NHK朝ドラ「虎に翼」に、菊地凜子さんが同じ役で出演。

「虎に翼」と「ブギウギ」の世界がつながりを持ち、過去の架空劇団名が再び登場する展開に驚き。

登場人物のコラボや共有世界の演出によって新たな考察を促す。社会問題へのメッセージも含まれている。

朝ドラ「虎に翼」、異例の「前作受け」で茨田りつ子まで登場 イマドキTV+

「前作受け」がここまで広がるとは。NHK連続テレビ小説(朝ドラ)「虎に翼」に、前作「ブギウギ」に登場した菊地凜子さんが同じ茨田りつ子役で出演していた。

ゲストとはいえ、歌唱シーンや心に響くせりふも用意されていた。平等な社会の実現を目指す女性法曹家に、女性歌手がエールを送る。必然性とまではいかなくても、登場に納得感はあった。

そもそも「虎に翼」は初回で主人公の猪爪寅子(伊藤沙莉さん)が「梅丸少女歌劇団に入る」と口にしたことに驚かされた。「ブギウギ」の主人公が入団していた架空の劇団名で、それを使うということは同じ世界だということになる。

NHK総合ではニュースからの「朝ドラ送り」や、「あさイチ」での「朝ドラ受け」がちょっとした楽しみにもなっているけれど、「前作受け」というのは初めて見た。

その後も登場人物が「東京ブギウギ」を口ずさむなど、今思えば茨田りつ子登場の伏線は準備されていた。過去に朝ドラで、同様のコラボレーションがあったのかどうかNHKに聞いてみたが、「データベース等がないため、明確な回答を申し上げることができません」。確かに全出演者と全役柄を把握するのは難しいか。

ややこしいのは「ブギウギ」で風呂屋の常連客「アホのおっちゃん」だった岡部たかしさんが、「虎に翼」では主人公の父親を演じていること。コラボの世界的には、非常によく似た別人ということになるんでしょう。

作品世界の共有は、しゃれた演出ではあるけれど、あまりにも違和感なく連携しているので、いろいろ考えさせられる。「虎に翼」では立場の弱い人々が差別や偏見に苦しむ姿が強調される。同じ世界ということは「ブギウギ」の女性たちも、こんな理不尽さに耐えて頑張っていたんだなぁ、と改めて思い返したり。

コラボついでに時代が同じはずの「エール」(令和2年)から古山夫妻も再登場したりは…しないか。(ライター 篠原知存)