世界的コンテンポラリーダンス集団で活躍する仙台出身の女性ダンサー「やっていれば道は開ける」

AI要約

オランダを拠点に活動する世界的なコンテンポラリーダンスカンパニー「ネザーランド・ダンス・シアター(NDT)」が5年ぶりに来日し、日本で公演中。

NDTはクラシックバレエの伝統を踏まえつつ革新性を追求し、世界で名声を誇る。

日本人ダンサー・刈谷円香さんの経歴や、NDTの魅力について紹介。

 オランダ・ハーグを拠点に活動する、世界的なコンテンポラリーダンスカンパニー「ネザーランド・ダンス・シアター(NDT)」が5年ぶりに来日、今月13日まで国内で公演を行っている。NDTに所属し、世界を飛び回る日本人ダンサー・刈谷円香さん(31)にこれまでの歩みとNDTの魅力を聞いた。(デジタル編集部 小関新人)

 NDTは、1959年にオランダ国立のネザーランド・バレエ団(当時)の18人の若いメンバーが、より自由な表現を求め、同バレエ団を脱退して設立した現代バレエ団。1978年から1999年まで芸術監督を務めた振付家、イリ・キリアン氏のもとで、世界有数のダンスカンパニーとしての名声を確立した。クラシックバレエの伝統を踏まえつつ、常に革新性を追求し、気鋭の振付家とダンサーとの共同制作で、年間10作品程度の新作を発表し、世界各地で上演している。

 NDTは、経験豊富な主力ダンサーが所属する「NDT1」と、若手ダンサーが所属する「NDT2」に分かれており、今回来日したのは「NDT1」の27人にスタッフらを合わせて約50人。ダンサーには、オランダだけでなく、北米やヨーロッパをはじめ、ブラジルや台湾の出身者もいる。日本人ダンサーも3人が活躍していて、そのひとりが刈谷さんだ。

 刈谷さんは仙台市の出身。サラリーマンの父と主婦の母のもとで育った。両親は南米・アンデス地方の音楽、フォルクローレの演奏や民族舞踊の分野でセミプロとして活動をしていた関係で外国人との付き合いもあり、刈谷さんも幼い頃から異文化に接しやすい環境にあった。

 ダンスの道に入るきっかけとなったのは、4歳の時、母親にバレエを踊りたいと突然言い出したことだった。本人は「なぜ言い出したのか、自分でも覚えていないんです。家族がバレエに関係していたわけでもないし」。母親は刈谷さんのバレエへの思いが本物なのか見極めるために、5歳になるまで1年間様子を見て、近所のバレエ教室に通えるようにしたという。