チーム三菱ラリーアートがアジアクロスカントリーラリー2024に新型トライトン4台体制で参戦!

AI要約

三菱自動車が技術支援するチーム三菱ラリーアートが、新型トライトン4台でアジアクロスカントリーラリーに参戦

競技の概要やコースの特徴、チーム三菱ラリーアートの参戦歴と今年の目標

新型トライトンの改良内容や耐久テストの実施、増岡浩総監督のコメント

チーム三菱ラリーアートがアジアクロスカントリーラリー2024に新型トライトン4台体制で参戦!

三菱自動車が技術支援するチーム三菱ラリーアートは、このほど、8月11日(日)~17日(土)にタイ南部~中部で開催されるアジアクロスカントリーラリー(以下AXCR)に新型トライトン4台体制で参戦すると発表した。

AXCRはアセアン最大規模のクロスカントリーラリー。29回目の開催となる今年は、8月11日(日)にタイ南部、タイランド湾に面するスラタニでのセレモニアルスタートによって開幕し、翌12日(月)から本格的な競技がスタート。当初発表されていたコースから変更となり、スタート後はタイ国内をミャンマーとの国境に沿うように北上。王室の保養地として有名なリゾート地であるホアヒンを通り、17日(土)には、バンコクから約130km西に位置するカンチャナブリでゴールを迎える。総走行距離は約2400km、スペシャルステージと呼ばれる競技区間はその内1000kmを超える見込みで、コースは山岳部、密林地帯、川渡りなど変化に富み、走破性と耐久性、さらに今年はスピードが問われる難コースが予想される。

チーム三菱ラリーアートは今年、ピックアップトラック トライトンでAXCR参戦3年目を迎える。参戦初年度で総合優勝を果たすと、新型モデルに切り替えた昨年度は総合3位に入賞するなど、トライトンの悪路での優れた操縦性と走破性、高い耐久性を発揮。今年度は主に動力性能を大幅に高め、2年ぶりの総合優勝を目指す。

チーム三菱ラリーアートはタントスポーツ(タイ)が運営し、三菱自動車からはダカールラリーで2連覇した実績をもつ増岡浩が総監督として参画するほか、開発部門のエンジニアが参戦車両の開発を行なうとともに、競技期間中はチームに帯同してテクニカルサポートを行なう。ドライバー/コドライバーは、2022年大会で総合優勝を果たしたチャヤポン・ヨーター(タイ)/ピーラポン・ソムバットウォン(タイ)、2023年大会で日本人ペア最上位の8位となった田口勝彦/保井隆宏を引き続き起用。加えて経験豊富で三菱車を熟知するサクチャイ・ハーントラクーン(タイ)/ジュンポン・ドゥアンティップ(タイ)、さらに三菱自動車開発部門のテストドライバーである小出一登、そのコドライバーにはAXCRで入賞経験のある千葉栄二を起用し、新型トライトンのT1仕様(改造クロスカントリー車両)で王座奪還に挑む。

今回は昨年の参戦結果を振り返り、高速ステージで大排気量の競合車に対抗できるよう動力性能を大幅に向上させるとともに、トルク容量の大きい競技用トランスミッションを新たに採用し、耐久性と操作性を向上させている。また、トレッドを拡大するとともにリヤサスペンションをリーフスプリング式からコイルスプリングを用いた4リンクリジッド式に変更することで荒れた路面からの大きな衝撃を吸収し、凹凸の激しい路面での追従性を高めることで悪路走破性を大幅に向上させている。

チームは6月21日~27日にタイの中央、カオヤイ国立公園周辺のオフロードコースで本番を想定した高負荷の耐久テストを実施。今回の耐久テストでは、7日間で約800kmを走り込み、加速性能を強化したエンジンや車体の信頼性・耐久性を確認しながら、本番に向けた調整を実施した。

チーム三菱ラリーアートの増岡浩総監督はこのようにコメントしている。

「昨年は発売直後の新型『トライトン』で2連覇に挑みましたが、ポテンシャルを十分に引き出すことができず3位入賞に終わりました。今年の『トライトン』は主に動力性能と悪路走破性を大幅に高め、4台体制に強化して王座奪還に挑みます。また、今年は、これまで長年にわたり、私と一緒に三菱車の開発に携わってきたテストドライバーである小出が参戦します。『過酷なモータースポーツ現場での経験をクルマづくりに活かす』という三菱自動車らしいクルマづくりの伝統を、次の世代にしっかりと受け継いでいきたいと考えています」

※文中敬称略

●三菱自動車公式「AXCRスペシャルサイト」

●「トライトン」ラリーカー主要諸元・装備

・全長×全幅:5320×1995mm

・ホイールベース:3130mm

・トレッド:1730mm

・エンジン型式:4N16(インタークーラー付ターボーチャージャー)

・燃料噴射装置:高圧コモンレール式DI-D

・排気量:2439cc

・ターボチャージャー:三菱重工エンジン&ターボチャージャ製

・最高出力:150kW(204ps)以上

・最大トルク:470Nm以上

・エキゾーストシステム:HKS製AXCR 2024コンペティションモデル

・変速機:6速シーケンシャルトランスミッション(「Moty’s」製ギヤオイル)

・4WDシステム:フルタイム4WD

・フロント/リヤデフ:CUSCO製LSD

・フロントサスペンション:独立懸架/ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング

・リヤサスペンション:4リンクリジッド式コイルスプリング

・ショックアブソーバー:CUSCO製減衰力調整式ツインダンパー

・バンプストッパー:油圧式

・ステアリング形式:ラック&ピニオン(パワーステアリング)

・ブレーキ:ENDLESS製モノブロックブレーキキャリパー、ベンチレーテッドディスク、パッド、FORTEC製競技用ブレーキフルード

・ホイール:WORK製アルミニウムホイール(17in×7J)

・タイヤ:横浜ゴム・ジオランダーM/T G003(245/75R17)

・その他特長:カーボン製フロントフェンダー、カーボン製前後ドアパネル、カーボン製カーゴアウターパネル