怖くて使えない…!? 『ドラクエ』シリーズ伝説の呪文「パルプンテ」が生んだ緊張感

AI要約

ドラゴンクエストシリーズの人気呪文「パルプンテ」について振り返る。

効果のランダム性や楽しさ、使用のドキドキ感について。

シリーズごとの効果の変化や使用者の変遷について。

怖くて使えない…!? 『ドラクエ』シリーズ伝説の呪文「パルプンテ」が生んだ緊張感

『ドラゴンクエスト』シリーズを遊んだ人なら、ほとんどの人が知っているだろう呪文「パルプンテ」。唱える本人ですらどんな効果が出るのか分からない呪文で、一度は誰しもが使ってみたくなったはずだ。

 ランダム性の効果なので、歓喜することもあれば、リセットしたくなることもあったもの。そんなドキドキしながら使った「パルプンテ」が、いったいどんなものだったのか振り返ってみよう。

「パルプンテ」が初登場したのはファミコン版『ドラクエII』で、ムーンブルクの王女がレベル25で覚える。ただ、説明書には、“古文書にも記載されておらず、呪文が存在するのかも不明”とあり、よくそんな呪文を覚えられたものだと感嘆せざるをえない。やはり王女は天才肌の魔法使いといえる。

 本作での「パルプンテ」は、唱えると「味方全員のHP全回復」「戦闘中蘇生+味方全員のHP全回復」「敵全体が即死」「敵全体が逃げる」「何も起こらない」「敵全体が混乱」「敵全体が睡眠」「敵全体の守備力が下がる」「味方全員の守備力が上がる」……といった効果が見られる。

 筆者は当時小学生だったのでよく分からなかったが、味方側が不利になる効果がないのでありがたい呪文ともいえる。しかも、ハーゴンやシドーですら逃げてしまうのが面白い(シドーは再戦)。

 本作では「ザオリク」も初登場となったのだが、ファミコン版の当時はまだ移動中のみしか使用できなかった。戦闘中に蘇生させる手段がないので、「パルプンテ」なら一発逆転が狙えた。

 ただ、攻略サイトもない当時、本当にどんな効果があるのか不明だったので、万が一、味方にマイナスの効果があると思うとなかなか使えなかった。それだけに思い切って使おう……となったらドキドキしたものだった。

『ドラクエIII』になると効果も増えていき、「時間停止」「会心の一撃」といったメタル狩りに効力を発揮するものもあった。さらに味方にも災いが起こるようになり、「敵味方全員睡眠」「敵味方全員混乱」も出るようになった。

 そして、『ドラクエIV』でも全体ダメージやマヌーサの効果などのほか、ミネアのタロットカードのように「経験値とゴールドが2倍」という嬉しい効果も増えていた。

 続く『ドラクエV』『ドラクエVI』『ドラクエVII』では、敵モンスターも「パルプンテ」を使うようになり、もはや確実に存在している呪文となった。

 使用者は限られているので、一度も見ずにクリアしてしまうことも珍しくない。この3作からは「敵味方全員蘇生」というありがたいようでそうでもない効果や、「流星で敵味方全員のHPが1」というサバイバル的な効果も見られた。

 しかも、この流星効果は敵が使用することもあるので、非常に厄介といえる。素早さ……というよりもターンの順番が勝負を決めるといっていい。まったくもってヒヤヒヤものである。こんなの味方が使ったら、後で大ケンカに発展しそうだ。

『ドラクエVII』になると、使用するには「まじんブドゥ」の職業になる必要がある。モンスター職の上級にあたるので、「パルプンテ」を覚えずにゲームクリアしたプレイヤーも多かったはずだ。