柴咲コウ「蛇の道」撮影で生活したフランス「議論でき居心地良い」フランス以外での俳優業も意欲

AI要約

柴咲コウがフランスと日本での撮影体験や言語の苦労について語る。

役作りのためにフランス語を勉強し、現地で生活していた柴咲コウ。

フランスでの撮影での挑戦や失敗、そして今後の外国作品への挑戦意欲について。

柴咲コウ「蛇の道」撮影で生活したフランス「議論でき居心地良い」フランス以外での俳優業も意欲

 柴咲コウ(42)が5日、都内の日本外国特派員協会で行われたフランス、日本共同製作の主演映画「蛇の道」(黒沢清監督、14日公開)上映会後、会見に臨んだ。柴咲は撮影前から実際に生活し、撮影に臨んだフランスと日本は、感覚的にどちらが良いかと聞かれ「私はフランスは、とても居心地が良くて。ちゃんと議論ができる」と答えた。

 柴咲は劇中で、ダブル主演のフランスの俳優ダミアン・ボナール(45)が演じた、8歳の愛娘を何者かによって殺され、復讐(ふくしゅう)を誓う父アルベール・バシュレと偶然、出会い、協力する心療内科医の新島小夜子を演じた。撮影の半年ほど前からフランス語のレッスンを日本で受け、23年4~5月までパリと近郊で行った撮影期間もホテルに宿泊せず、クランクイン1カ月前からキッチン付きのアパートを要望し、生活して役作りした。「私はこう思う、私はそうは思わないというような雰囲気が、にじみ出ていて、とても仕事がしやすいなと思った」と、フランスで生活と仕事をした実感を口にした。

 日本人女性として1人、現地にいる役を演じ、難しかったところは? と質問が出た。柴咲は「難しいのは、やはり外国語でのお芝居になるので、10年住んでいる心療内科医として、ちゃんとたたずまいから、言葉から、なじむようにやるのは苦労しました」と答えた。その上で「現場でフランスの俳優、スタッフとコミュニケーションを取りたいけれど、フランス語はセリフ以外は、ままならないし…。じゃあブロークンイングリッシュで、と思うんだけど、やはりフランス語を話したい。余計に頭がこんがらかって、何を言って良いか分からないことがあった」とフランス語を思うように使えず、もどかしい思いがしたと振り返った。そして「後半は、何となくスタッフの要求が分かってきた。少しだけフランス語で答えられるようになって、自分の成長は楽しかった」と笑顔で振り返った。

 フランスでの撮影で失敗したことは? と聞かれると「私の中では、失敗だらけ。言語が大きかった。撮影のダイアログ以外にも、挑戦しないと成功しない部分があると思い、マルシェ(市場)でお買い物をする時に使ってみたり、タクシーに1人で乗ってみても、うまく伝わらない方が大半」と振り返った。

 一方で「挑戦に意味があるなぁと思ったし。やはり海外の仕事は、自分の殻を破って挑戦したいという気持ちを高めてくれる。いろいろな言語の作品に挑戦したい」と、フランス語以外の作品への出演にも意欲を見せた。

 ◆「蛇の道」8歳の愛娘を何者かによって殺された父、アルベール・バシュレ(ダミアン・ボナール)は偶然、出会った精神科医の新島小夜子(柴咲コウ)の協力を得て、犯人を突き止め復讐(ふくしゅう)することを生きがいに「必ずこの手で犯人に報いを」と殺意を燃やす。とある財団の関係者たちを2人で拉致していく中で「誰に、なぜ、娘は殺されたのか」という真相が次第に明らかになっていく。