<エンタメノート>「6月6日午後6時」にデモ計画 呼びかけたいのは「お稽古事」

AI要約

伝統芸能の危機への対応として、SNS上でのデモが計画されている。お稽古事を推進するための取り組みで、伝統芸能の存続につなげる狙いがある。

伝統芸能への関心や取り組みが減少しており、これが伝統芸能全体の存続に影響を及ぼしている状況がある。

伝統芸能の世界では、小さな力を結集し、SNSを活用してアピールすることで、伝統芸能の魅力を広められる可能性がある。

<エンタメノート>「6月6日午後6時」にデモ計画 呼びかけたいのは「お稽古事」

 「今は伝統芸能の危機。そこで『お稽古(けいこ)事しませんか』と呼びかけます」――。浪曲師で日本浪曲協会理事の玉川奈々福さんらが、6の数字が並ぶ「令和6年6月6日午後6時」にSNS(ネット交流サービス)上でのデモを計画している。「#伝統芸能稽古事のススメ」のハッシュタグで、お稽古事を多くの人に勧めよう、という例のないデモだ。

 かつては小唄、端唄など「大人のたしなみ」だった伝統芸能。だが、明らかにお稽古事に取り組む大人は減っている。それは伝統芸能にかかわる人口にも影響してくる。

 「今、あらゆる伝統芸能が危機的状況だと思います。また、どうしても伝統芸能の世界は縦割りで、(分野が)近いと思われる芸能でもよくわからないことがある。今、全面的に伝統芸能が『負けている』状況で、立ち上がるきっかけがほしいなと思った」と奈々福さん。

 「昔(の隆盛)を懐かしんでも仕方ない。どうしたら伝統芸能として横につながり、なおかつ世間にアピールできるのか。お金も力もないので、小さな力を結集するしかない。そこで、SNSでのデモンストレーションを思いついたんです」

 各界の知り合いに相談すると、「自分も義太夫語りを楽しむ仲野徹先生(生命科学者・大阪大学大学院名誉教授)からは『それやったら、今年はちょうど令和6年やし』と、伝統芸能の世界では稽古始めの日とされている『6月6日にやったらええんちゃうか』と助言をいただいた」という。さらに「マルチクリエーターのいとうせいこうさんからは『じゃあ6日の午後6時に『#伝統芸能稽古事のススメ』のハッシュタグでSNSに一斉にアップしてもらったら』とアドバイスをいただいた」という。

 投稿してほしい内容は「伝統芸能を学ぶことの効用」「今習えるお稽古場情報」――の2点だ。

 奈々福さんは「武道とか華道とか書道とか、なにを伝統芸能とするかはその方の自由。とにかく、和のお稽古事をしませんかということでつながれれば」と、SNSデモへの参加を呼びかけている。詳しくは奈々福さんのX(ツイッター)へ。【油井雅和】