安楽死その瞬間…フジ「ザ・ノンフィクション」で放送 家族悲痛の別れ テロップ喚起も

AI要約

フジテレビ系ドキュメンタリー「ザ・ノンフィクション」で放送された安楽死を選択せざるをえなかった女性と家族の最期の別れの様子に迫る内容。

がんを患い、日本では合法化されていない安楽死を選ぶマユミさんと家族の苦悩や決断の過程が描かれる。

放送後には衝撃的な場面に対する悲痛なコメントや安楽死の意義に関する論議がSNS上で広がるなど、多くの反響を呼んでいる。

安楽死その瞬間…フジ「ザ・ノンフィクション」で放送 家族悲痛の別れ テロップ喚起も

 フジテレビ系ドキュメンタリー「ザ・ノンフィクション」(日曜午後2時)の2日の放送で、「安楽死」を選択せざるをえなかった女性と家族の最期の別れの様子が放送された。

 「私のママが決めたこと 命と向き合った家族の記録」とのタイトルで放送。がんをわずらった母に治療による改善が望めず、日本では合法化されていない安楽死を選び、スイスで旅立つ内容だった。冒頭では「この番組は『家族の死』をテーマにしており家族を看取る場面が映ります」と喚起のメッセージが映された。

 登場するのは、安楽死を選択したマユミさん(44)と夫マコトさん(48)、18歳と12歳の2人の娘。子宮頸(けい)がんの中の希少がん「神経内分泌がん」を患い、本人の口から「進行が早くて悪性度がすごく高くて、というのがひとつと、希少がんなので、治療方法が確立されていない」と説明された。

 発症から3年で脳など全身に転移していく様子の内視鏡写真も映され、左目の視野が失われていく現状も。「もうどうしたって治らなくて」「最後に願うのは安らかな死だけ」「私だって生きられるなら死にたくない」など、SNSへの赤裸々な投稿も紹介された。

 マユミさんがスイスの団体へ「がんが再発したら、私は安楽死を望みます」と訴えた英文メールも登場。マコトさんも「だいぶ葛藤はある」と吐露し、娘たちもLINE(ライン)で苦悩のコメントをやりとりしながらも、苦しむマユミさんのため、送り出す様子が映された。

 スイスへは夫が付き添い、マユミさんの最期の場面では、娘とはスマホのビデオ通話で会話。テロップで「この後 家族を看取る場面が映ります」と再びメッセージが映された。娘たちとつないだスマホを前に、付きそう夫の横で、薬の説明が終わると、家族で「ありがとう」と声をかけ合い、マユミさんとマコトさんが抱き合う。本人の意思で点滴を開けた場面からは、画面が暗転し音だけになった。その後は、最期を迎えて眠るマユミさんに、マコトさんと娘が声をかける場面も映された。

 SNSでは、衝撃的な場面に悲痛のコメントも寄せられた一方、安楽死の意義などについてもあらためて論議が起きるなど、命の重さを伝える内容に、多くの反響が寄せられている。番組はTVerでも配信されている。