小中学生のクマ対策に鈴を貸与、秋田市が全1万9000人に…学校には撃退用スプレー2本

AI要約

秋田市がクマの目撃情報に対応するため、小中学生にクマよけの鈴を貸与するなどの対策をまとめた。

さらに、学校に撃退用のスプレーや人工知能搭載のカメラを導入し、山岳での捜索活動時の対策も見直すことを決定した。

市長はクマに関する情報にアクセスし、適切な行動を呼びかけると述べた。

 相次ぐクマの目撃を受け、秋田市は30日、市の各部局の幹部を集めた連絡会議を開き、市内の小中学生約1万9000人全員にクマよけの鈴を貸与するなどの対策をまとめた。

 会議ではこのほか、学校敷地内にクマが侵入した場合に備え、市立の小中学校など計62校に撃退用のスプレーを2本ずつ配布することも報告された。市教育委員会学事課によると、鈴の貸与、スプレーの配布は6月の開始を目指す。

 産業振興部からは、人工知能(AI)でクマを判別する、通信機能付きの自動撮影カメラを新たに5台購入するとの説明があった。目撃情報があった地域に設置し、迅速な対応につなげるという。

 また、鹿角市で遭難者を捜索中の警察官がクマに襲われた事故を受け、秋田市消防本部は、山岳での捜索活動の際は爆竹や電子ホーンなどを鳴らすことを徹底するなど対策を見直したことを報告した。

 会議後、報道陣の取材に応じた穂積志市長は「クマはいつどこに出るか分からない。県や市が発信している情報にアクセスし、行動してほしい」と呼びかけた。

 市農地森林整備課によると、市内では今年度、5月28日時点で65件のクマの目撃情報が寄せられ、12基の箱わなを設置して、6頭を捕獲したという。