真夜中に防災無線で注意喚起 川口市、強盗殺人未遂事件で異例の対応

AI要約

埼玉県川口市で29日深夜に起きたタクシー運転手が銃撃された強盗殺人未遂事件。30日夕時点で犯人は逃走中で、拳銃を所持している可能性がある

市は犯罪に対して異例の防災無線を使用して注意喚起し、市立幸町小学校周辺では児童が登校する際に規制線が張られた

市防犯対策室は2004年に設立され、防犯体制の整備や防犯意識の普及啓発を行っている

真夜中に防災無線で注意喚起 川口市、強盗殺人未遂事件で異例の対応

 埼玉県川口市で29日深夜に起きた、タクシー運転手が銃撃された強盗殺人未遂事件。現場は、JR川口駅からほど近い高層マンションや住宅が立ち並ぶ場所で、近くには小学校もあった。男は30日夕時点で逃走中で、拳銃を持っている可能性もある。市は発生直後から、犯罪に対しては異例となる防災無線を使った注意喚起をした。

 「タクシーに乗車した男が、拳銃のような物を発砲する事案が発生しました。不審者を見かけた際は、ただちに110番通報をお願いします」

 川口市内の防災無線で、こんなアナウンスが流れたのは、30日午前2時11分。真夜中のことだった。市からのメール配信登録をしている1万2500件には同様のメールも届いた。

 市防犯対策室の担当者は「大雨など自然災害で夜中に防災無線を流すことはあるが、犯罪がらみの緊急の注意喚起はほとんど例がない」という。

 真夜中の注意喚起は、川口署からの要請を踏まえて実施した。「要請があっても緊急性がない場合は、日中にすることもある。今回は拳銃を所持して逃走しているということで、住民への注意喚起をいち早くやるべきだと判断した」と担当者。特に市民からの苦情もなかったという。

 近くには市立幸町小学校があるため、30日午前は規制線が張られた現場近くを児童が歩いて登校し、約20人の教職員らが見守った。市も所有する青パトを市教育委員会と連携して、現場付近や市の中心部などを巡回させたという。

 防犯対策室は、防犯カメラの設置など、防犯体制の整備や防犯意識の普及啓発のため、2004年に発足した。(浅野真、恒川隼)