「だまされたふり作戦」でロマンス詐欺未遂容疑の受け子を逮捕

AI要約

神奈川県相模原市でSNS型ロマンス詐欺の容疑者が逮捕された。女性から現金をだまし取ろうとした豊田容疑者は、現金を受け取る際に逮捕された。

女性はフェイスブックを通じて偽の日本人医師から結婚を迫られ、現金を要求された。豊田容疑者は女性から現金計325万円をだまし取ったとされる。

女性は警察と協力し、だまされたふりを続けて豊田容疑者を逮捕した。県警では初めてのロマンス詐欺容疑者の検挙となった。

「だまされたふり作戦」でロマンス詐欺未遂容疑の受け子を逮捕

 交際を持ちかけて女性から現金をだまし取ろうとしたとして、神奈川県警相模原北署は29日、住所不定、職業不詳、豊田禎子容疑者(54)を詐欺未遂容疑で現行犯逮捕した。署によると、SNS(ネット交流サービス)を通じて恋愛感情を抱かせて金銭を詐取する「SNS型ロマンス詐欺」で、豊田容疑者は受け子役とみられるという。県警は女性の協力で「だまされたふり作戦」を実行し、現金を受け取りに来たところを逮捕した。

 逮捕容疑は氏名不詳者らと共謀して29日午後0時50分ごろ、相模原市緑区の50代女性から現金100万円をだまし取ろうとしたとされる。「理解できません。上の人に言われてお金を取りに行きました」と容疑を否認している。

 署によると、女性には4月、フェイスブックで「米軍に属し、シリアで勤務している日本人医師」を名乗る男性から友達申請があり、メッセージのやりとりが始まった。「日本人医師」は「危険な場所から救い出してほしい」と女性に結婚を迫ってきたという。

 その後、面会するには休暇取得が必要と強調。「将軍」を名乗る人物から「休暇取得には1カ月44万7000円が必要」「外交官が現金を取りに行く」などとメッセージが送られてきたという。

 女性の自宅には、5月7日と18日に豊田容疑者が来訪し、女性は現金計325万円をだまし取られたとされる。不審に思った女性は署に相談し、詐欺被害にあったことに気づいた。

 しかし、女性はだまされたふりを続け、3度目の要求があった29日、県警のSNSを使った詐欺などに特化して警戒するチームが女性宅近くで待機。女性から偽の100万円を受け取り、家を出た豊田容疑者を現行犯逮捕した。署によると、だまされたふり作戦でロマンス詐欺の容疑者を検挙するのは県警で初めて。【横見知佳】