《甲府同僚女性絞殺事件》「恋心を抱いていたが…」ストーカー男(35)が身勝手すぎる蛮行に及ぶまで
小棹将太容疑者が死体遺棄の疑いで逮捕された事件について。犯行の経緯や動機、犯行前の小棹の経歴などが明らかになる。
警察の調査により、小棹容疑者は同僚の平岡美恵さんを殴って車に乗せ、殺害して遺体を遺棄したと供述。犯行の背景には恋心があったという。
小棹容疑者は元々NPOで子どもたちに関わる活動をしており、信頼される存在として活躍していたが、後に地元を離れて様々な変化があった。
5月2日、山梨県警甲府署は死体遺棄の疑いで、山梨県農業信用基金協会職員の小(お)棹(ざお)将太容疑者(35)を逮捕した。生真面目な男を密かに蝕んでいたのは――。
◆ ◆ ◆
社会部記者の解説。
「小棹は4月30日、同僚の平岡美恵さん(40)の退勤を待ち伏せし、声をかけたところ拒絶されたため、殴って無理やり車に乗せた。この時小棹は発見を遅らせるためか、平岡さんの車を運転。その後、甲府市の勤務先から約40キロ離れた身延町の河川敷に、寝袋に包んだ平岡さんの遺体を遺棄したとされる」
平岡さんは以前から小棹に付きまとわれていると感じ、上司に相談している。犯行当日は上司が小棹に聞き取りを実施していた。
「1日、平岡さんの家族が行方不明者届を出し、警察が関係先を調べる中で小棹が浮上。小棹は容疑を認め、本人の案内で河川敷で遺体が発見されたため、逮捕となった」(同前)
司法解剖の結果、平岡さんの死因は窒息死と判明。遺体には打撲痕があり、首を絞められたような痕も残っていた。
小棹は警察の調べに対し、「話をしようと思ったが、拒まれたので殴って車に乗せた。その後も殴り続けていると動かなくなったので、殺してしまったと思い遺棄した」「恋心を抱いていたが、実らなかった」などと供述。
あまりに身勝手すぎる蛮行に走った男の来歴はどのようなものなのか。
福井県鯖江市で育った小棹は、地元の公立中学時代からある活動にのめり込む。
「当時、福井県のNPOが、子どもたちのために毎年夏にキャンプを企画していました。将太はそこに参加してきて、以来10年ほど活動に携わっていました」(NPO関係者)
中学を卒業してからは、運営スタッフの一員としてキャンプ地を決め、数十人の子どもたちを引率していたという。
「優しい中にも厳しさがあり、子どもたちからも信頼されているスタッフでした。京都の大学を卒業し、就職してからも夏には顔を出してくれていた。人手不足でNPO自体が解散するまで、熱心に取り組んでいました」(同前)
2012年には富山県出身の年上女性と結婚。子どもをもうけ、公私ともに順風満帆なように思えたが、約4年前に生活の拠点を山梨県に移し、相前後して妻とは離婚している。