クマがもう目の前に…対処法は「首、顔、頭など急所をリュックサックで防ぐ 頭からかぶる」午前7時と午後5時前後は特に注意

AI要約

6月から7月にかけてはクマの目撃情報が増える時期であり、親グマが防御行動を取ることもある。

クマは春に冬眠から目覚めてお腹が空いており、夏にかけて行動範囲が広がる。

クマの活動時間帯は午前7時前後と午後5時前後であり、子グマを見かけたら母グマがいる可能性が高い。

クマがもう目の前に…対処法は「首、顔、頭など急所をリュックサックで防ぐ  頭からかぶる」午前7時と午後5時前後は特に注意

6月から7月にかけては毎年、クマの目撃情報が増える時期です。私たちはどう気をつけたらいいのでしょうか。専門家に聞きました。

4月、北海道根室市の林道を走る軽トラックのドライブレコーダーの映像。子グマとみられる1頭のクマが林の中に姿を消すと反対側から、もう1頭のクマが現れ…車に体当たり。

車を急発進させますが、クマが追いかけてきます。

このクマは、ツキノワグマではなくヒグマでしたが、専門家によるとこの時期は子グマを連れた親グマが「防御行動」をとることも多いといいます。

軽トラは、前方が大きく壊れフロントガラスもひび割れていました。

山が多い岐阜県では昨年度、1年間で655件のクマの目撃情報があり、特に餌を求めて行動範囲を広げる6月と7月は例年、目撃情報が増える傾向があります。

(若狭敬一キャスター)

「クマに遭遇しないために、また遭遇したらどうすればいいのか。クマの生態に詳しい岐阜大学の応用生物科学部 浅野玄准教授に伺います。まず「ツキノワグマ」とは、どんなクマなんでしょうか?」

(岐阜大学 応用生物科学部 浅野玄准教授)

「ツキノワグマは、本州と四国に生息していて、体長が80から120センチぐらいで

、体重は100キロ前後になるような個体もいます」

■“クマがもう襲ってくる” そんな状況になったら…?

(若狭キャスター)

「東海地方では岐阜県での目撃情報はよくあるんですが、愛知県・三重県ではどの辺りに生息してるんでしょうか?」

(岐阜大学 浅野准教授)

「愛知県だと三河の山間部など、三重県だと中部から南部の山間部などが生息地になっています」

(若狭キャスター)

「そうなんですね。クマにとってこの時期というのは、どんな季節なんでしょうか?」

(岐阜大学 浅野准教授)

「ちょうど3月から4月に冬眠から目覚めてきて、実はクマは冬眠中はえさを一切食べないので、冬眠明けだとお腹が空いている状態なんですね。春先になると木の枝や山菜などを食べるようになるので、行動がどんどん広がっている時期にあたります」

(若狭キャスター)

「人と出会う時間帯というのはあるんですか?」

(岐阜大学 浅野准教授)

「クマの行動と人の行動が重なる時間がどうしても被害が多い時間帯になっていて、大体午前7時前後の朝方と夕方の午後5時前後、この時間帯がちょうどクマの活動と人の活動が重なって、人への被害や目撃情報が増えます」

(若狭キャスター)

「この先6月7月が更に目撃情報が増えるということなんですが、季節の移り変わりで目撃情報というのは変わってきますか?」

(岐阜大学 浅野准教授)

「一番ピークになる6、7月からだんだん夏にかけて減っていって、また秋頃になると、人が山に入ることも増えるので、目撃や被害というのも増えます」

(若狭キャスター)

「北海道の根室市で4月、ヒグマが軽トラックに激突してきて、ワイパーが壊れ、さらにはフロントガラスにもひびが入るということがありました。子連れのヒグマだったという情報なんですが、子どもを連れたクマというのは注意が必要なんでしょうか?」

(岐阜大学 浅野准教授)

「子グマのそばには母親がいます。母親は子グマを守るために人や車など近づいてくるものに対して、攻撃を仕掛けてくることが多いので、子グマを見かけたらお母さんがそばにいて、一番危険な状態だというふうに認識されるといいと思います」

(若狭キャスター)

「子グマを見つけると必ずその近くには母親がいるという認識、これが大事なんですね。クマと出会わないようにするためには、どうすればいいんでしょうか?」

(岐阜大学 浅野准教授)

「クマは人に対して、非常に警戒心を持っていることが多いので、クマに人の存在を知らせるということが大事になります。具体的には鈴や笛、ラジオなど大きな音で人の存在を知らせることで、それを聞いたクマが『人が近づいてきた。この場から去ろう』と、去ってくれることが多いはずです」