上級生が激しくドアを叩き…「おい!出てこい!」 防衛大の元学生“いじめ”の訴え 適応障害で退校 幹部自衛官養成の現場で何が【調査報道】

AI要約

防衛大学校でのいじめ問題について報告されました。

厳しい上級生の指導がいじめに発展し、被害者は精神的な苦痛を受けていました。

問題解決のためには、より適切な指導方法や支援体制の整備が必要です。

上級生が激しくドアを叩き…「おい!出てこい!」 防衛大の元学生“いじめ”の訴え 適応障害で退校 幹部自衛官養成の現場で何が【調査報道】

自衛隊の幹部を養成する防衛大学校についてお伝えします。防衛大学校で繰り返されていたのは、上級生による指導の域を越えた“いじめ”です。被害を受けた1年生が撮影した映像に写っていたのは…

■自衛隊の幹部養成学校で何が?

真っ暗な部屋。

ドアの外から「出てこい!」という怒鳴り声が響きます。

「出てこーい!」「出てこーい!」「出てこーい!」

この映像が撮影されたのは、防衛大学校の中。

一体何が起きていたのでしょうか?

神奈川県・横須賀市にある防衛大学校。防衛大臣直轄で、幹部自衛官を養成するために4学年、約2000人が学んでいます。

学生といっても、立場は特別職の国家公務員。学費はかからず、月給やボーナスも支払われます。

学生は4年間を寮で過ごします。朝6時起床。原則1年生から4年生の各学年2人ずつ、8人1部屋で暮らすことになっています。

2023年4月の入校式。整列する新入生の前で、一糸乱れぬ行進を見せるのが上級生です。

「(新入生は)この時、歩けないので横で見ている」

「外から見ていたら、かっこいいんですけど」

こう話すのは、2023年、まさにこの入校式のときに防衛大に入った男性と母親です。

元防衛大生の母親

「これが合格通知。飛び跳ねて喜んだ。制服を着ている姿は自慢に思っていた」

男性は同期の仲間にも恵まれ、勉強や訓練も順調にこなしていました。

しかし、寮生活での上級生からの“指導”は厳しく、とてもつらかったと話します。

元防衛大生

「部屋に内線がある。なるべく早く出ないといけない。1年生は走って電話を取りにいかないと(上級生に)怒られる。部屋に呼び出すか廊下に呼び出されて、時間が無くなって、ご飯を食べに行けない人がいたり、風呂に入りに行けない人がいる」

そして、自分は特に上級生たちに目をつけられていて、指導ではなく、もはや“いじめ”と言うべき状態だったと訴えます。

元防衛大生

「罵声だったりとか扉を叩かれたりとか、夜中に自分がいる部屋の内線にいたずら電話がかかってきて寝られない」

Q.この場を逃げたいとか、考えはめぐらなかった?