アスベスト「不使用」謳う実験用金網から基準超検出 新たに7製品で「数十%程度」含有確認 国内事業者の関与も

AI要約

アマゾンで販売されていた実験用金網から石綿が検出され、安全性に疑問が持たれている。

7製品すべてが基準超の石綿含有率を示し、安衛法に違反している可能性がある。

事業者の情報は不明だが、海外からの出品者である可能性が高い。

アスベスト「不使用」謳う実験用金網から基準超検出 新たに7製品で「数十%程度」含有確認 国内事業者の関与も

ネット通販大手アマゾンで販売されていたアスベスト(石綿)を「不使用」と謳う実験用金網2製品から基準超の含有が確認された。これら2製品を含め、今回新たに7製品の石綿含有が確認されたと9月5日、厚生労働省が公表した。(井部正之)

石綿を含有していたのはサーフショップ、RaoJin、ZHANGXINWEN、DiYaDi、meidaille、Roczential-JPを名乗る事業者(法人なのかなど不明)がアマゾンで出品・販売していた実験用金網7製品。いずれも製品名に「セラミックス金網」「石綿金網」の両方が含まれていた。

市場で流通している製品を買い取って安全性を調べる同省の買い取り試験で明らかになったもので、7製品すべてから基準(重量の0.1%)超のクリソタイル(白石綿)が検出された。

同省は石綿の含有率を公表していないが、筆者の取材に対し、「0.1%超とか微々たるものではない。製品によって多少の差はありますが、どれもそこそこあります」(化学物質対策課)と説明。さらに確認すると、数十%はあると認めた。

つまり、製造時になんらかの理由でたまたま混入したのではなく、意図的に高濃度の石綿を添加したということだ。

しかもサーフショップ販売の「HAMILO」ブランドとRaoJin販売の「HOTQ」ブランドの2製品は「石綿の代わりにセラミック繊維を使用しており、安全性が確保されています」「安全なセラミック繊維製」などと石綿不使用を謳って安全性を強調していたのだからたちが悪い。

同省によれば、7製品ともアマゾンでは出品停止済みという。またほかのネット通販事業者に対して同じ製品の取り扱いがないか確認中という。

2006年9月以降、基準超の石綿を含む製品の製造、輸入、譲渡、提供、使用は労働安全衛生法(安衛法)で禁止(第55条)。違反した場合、起訴されて有罪になれば、3年以下の懲役または300万円以下の罰金である。

アマゾンでは同社が取り引きの場を提供し、出品者が直接販売する仕組み(一部アマゾンが販売の製品もある)。今回の7製品を販売していた事業者の情報ははっきりしていないが、おそらく中国など海外からの出品者とみられる。安衛法の罰則など海外から直接出品している側からすれば痛くもかゆくもない。