「二度と生きて帰れない」言い残し戦死 「戦没オリンピアン」企画展

AI要約

戦地や被爆などで命を落とした五輪選手を紹介する企画展「戦没オリンピアン」が福山市人権平和資料館で開催中。パリ五輪に合わせ、平和の大切さを考える。展示には広島県出身者や戦没者のパネルが14人。被爆した五輪選手や戦死した選手の生涯や競技記録が展示されている。

被爆した36年ベルリン五輪砲丸投げ代表の高田静雄さんや戦死した32年ロサンゼルス五輪水泳選手の河石達吾さんが紹介されている。彼らの運命や功績が展示され、戦争の悲劇を伝える。入館料は100円で、学生は無料。曽根名誉教授の講演も行われる予定。

副館長は「過去の悲劇を知り、平和の大切さを考えてほしい」とコメント。ウクライナ出身のオリンピアンも命を落としたことが紹介されており、平和への再認識を促す展示となっている。

「二度と生きて帰れない」言い残し戦死 「戦没オリンピアン」企画展

 戦地や被爆などで命を落とした五輪選手を紹介する企画展「戦没オリンピアン」が、福山市人権平和資料館で開かれている。パリ五輪に合わせ、平和の大切さについて考えてもらうのが狙い。9月16日まで。

 企画展では、1976年モントリオール五輪の走り高跳び代表だった曽根幹子・広島市立大名誉教授が確認した38人の戦没オリンピアンのうち、広島県出身者や肖像写真が入手できた人ら14人を紹介。生涯や競技記録をパネルで展示している。

 36年ベルリン五輪砲丸投げ代表の高田静雄さん(広島市出身)は勤務先で被爆。戦後は原爆症に苦しみ、63年に亡くなった。会場では高田さんが五輪で着用したユニホームなども展示している。

 32年ロサンゼルス五輪水泳100メートル自由形銀メダリストの河石達吾さん(江田島市出身)は、「二度と生きては帰れません」と言い残して出征。45年に硫黄島で戦死した。

 副館長の寺地靖仁さんは「ウクライナでも命を落としたオリンピアンがいる。過去の悲劇を知り、平和の大切さを改めて考えてほしい」と話している。

 入館料100円。高校生以下は無料。月曜休館。7月28日午後1時半からは曽根名誉教授の講演「オリンピアンの戦死と帰還から」がある。問い合わせは同館(084・924・6789)へ。(矢代正晶)